この記事では農薬の処分方法を家庭用と事業用に分けて紹介します。
農薬の処分時には取り扱いを間違うと法律違反や賠償問題になることもあり、注意が必要です。
この記事を読んで適切に農薬を処分するようにしてください。
家庭用農薬の処分方法
家庭用のものは環境汚染のリスクは少ないものの、取り扱いには注意が必要です。
こちらでは、家庭用の農薬の処分方法を3つ紹介します。
自治体のゴミ回収に出す
■処分費用:無料
家庭用農薬の処分は、自治体のゴミ回収に出せるところがあります。ただし、ゴミ回収のルールは自治体ごとに異なるため注意しましょう。
農薬は自治体のゴミ回収では受け付けていないところは多くありません。
自治体の窓口へ電話で問い合わせるか、ホームページから適切な処分方法を確認してください。
処分方法が農薬のラベルに記載されているケースがあります。しかし、ラベルの処分方法に従うのではなく、念のために自治体へ確認することをおすすめします。
不用品回収業者に依頼する
■処分費用:3,000円~10,000円/1回依頼
不用品回収業者は、自宅まで回収に来てくれるため、処分の手間が省けます。不用品回収業者への依頼であれば、確実に処分できるのが大きなメリットです。
農薬の処分は自治体で受け付けていないところも多いです。処分方法に困った方は不用品回収業者への依頼をおすすめします。
また、農薬以外にも処分できずに置いている不用品も、まとめて回収可能。
引っ越しで片付けが必要な方、家や倉庫を丸ごと片付けたい方でも、運び出しまで対応してくれる業者もあります。
ただし、不用品回収業者に依頼するにも注意点があります。悪徳な不用品回収業者は、農薬のような廃棄物の適切な処理に慣れていません。
不法投棄の可能性があるため、行政の許可があるかどうかを確認するなど、業者選びには注意しましょう。
口コミでの評判が良いおすすめの不用品回収業者はこちら!
私有地に撒く(少量に限る)
■処分費用:無料
家庭用で使うような農薬であれば私有地内に撒いたり、埋めたりしてしまっても問題ありません。家庭用の農薬は自然由来のものもあり、地中で分解されます。
ただし、この処分方法は少量の農薬を処分の場合のみにしておきましょう。大量の農薬を撒くのはあまりおすすめしません。
また、農薬を撒くのはご自身の私有地に限ります。他人の私有地や共有地に撒いてしまわないようにしてください。
事業用農薬の処分方法
事業用の農薬は計画的に購入し、余らせて廃棄することのないようにすべてを使いきるのが基本です。
どうしても余った場合に処分する方法を3つ紹介します。
JA(農協)に依頼する
■処分費用:200円~3,000円/kg
JA(農協)では、組合員向けに農薬の回収をしてくれます。JAでは農業の専門知識があるため、適切な処分方法をアドバイスしてもらえることも。
扱っている農薬の種類や量によって、回収の可否があります。必ず、地域のJAに直接お問い合わせください。
農薬の種類や成分がわかるように、ラベルを保管しておきましょう。
一般的な農薬は数百円程度で回収してくれます。しかし、水銀などが含まれていると数千円程度かかります。
産業廃棄物処理業者に依頼する
■処分費用:200円~5,000円/kg
産業廃棄物処理業者は、法律に基づいて適切に処分してくれます。また事業者が処分の手続きを行う手間が省けます。
事業を行っている地域の産業廃棄物協会や自治体の産業廃棄物担当窓口から紹介を受けることも可能です。
依頼する際には農薬の種類、量、成分などを正確に伝えましょう。農薬の種類や成分がわかるように、ラベルを保管しておくと確実です。
産業廃棄物処理業者の中にも悪徳業者は存在します。ご自身で手配する際には、行政の許可や実績、評判を確認してから依頼するようにしてください。
知り合いに譲る
■処分費用:無料
農薬を知り合いに譲る際には、農薬取締法第17条に基づく届出が必要です。農薬を無償で譲渡する行為も届出の対象に含まれているため、注意しましょう。
もちろん、農薬を販売する場合も同様に届出が必要です。ただし、小分けは法律で禁止されていますので小分けは行わないようにしてください。
譲るという方法はあまり現実的な方法ではありません。しかし、どうしても譲りたいという方は各自治体に確認の上、届出をするようにしてください。
農薬の容器の処分方法
農薬の容器の処分方法を解説します。ゴミの区分を以下の表にまとめましたので参考にしてください。
材質 | 事業用 | 家庭用 |
---|---|---|
紙 | 事業系一般廃棄物 | 燃やせるゴミ |
ビン・缶 | 産業廃棄物 | 資源ゴミ |
スプレー | 産業廃棄物 | 燃やせないゴミ |
プラスチック | 産業廃棄物 | プラスチックゴミ |
あくまでも農薬を使い切る前提での容器の処分方法です。使い切れない場合には、こちらの記事で紹介している方法で処分するようにしてください。
紙の容器
紙の容器に農薬が残っているようであれば、薬剤散布機や希釈用容器に移します。さらに容器を軽く叩いてできる限り出し切ります。
眼に見えるような付着分がないことを確認し、水でよく洗い流し、残留物がないようにしてください。
事業系一般廃棄物または燃やせるゴミとして出せます。
しかし、内側がアルミ処理されているものは自治体によっては、燃やせないゴミとして分別が必要なケースがあります。
■紙容器の処分の流れ
- 残っている農薬を出す
- 容器を軽く叩き、出し切る
- 付着を確認し、水で洗い流す
- 事業系一般廃棄物または燃やせるゴミとして出す
ビンやカンの容器
ビンやカンは薬剤散布機や希釈用容器に、中身の農薬をボタ落ちが無くなるまでさかさまにして移します。
容器の約1/4の水を加えて密栓し、よく振った後に、散布液として使用してください。
水を入れて振る作業を計3回繰り返し、眼に見えるような付着分が無いことを確認し、容器内の水をよく切って、乾かしてください。
事業用の農薬の容器は、産業廃棄物として処分してください。家庭用の農薬の容器であれば、資源ゴミとして自治体のゴミ回収に出せます。
■ビン・カン容器の処分の流れ
- 残っている農薬を出す
- 水を入れてすすぐ
- すすぐ作業を3回繰り返す
- 産業廃棄物または資源ゴミとして出す
スプレー缶の容器
スプレー缶の処分には、火気のない風通しのよい屋外で噴射音が消えるまで、ティッシュや新聞紙に吹き付けます。
「ガス抜きキャップ」のある容器であれば、使用方法に従って中身の処理をしてください。
スプレー缶は中身が周りに飛び散らないように注意してください。
また、穴をあけると中身が噴出することもあります。穴をあけないようにするなど、取り扱いには注意してください。
事業用の農薬の容器は、産業廃棄物として、家庭用の農薬の容器であれば、資源ゴミとして自治体のゴミ回収に出せます。
■スプレー缶の処分の流れ
- ティッシュや新聞紙を用意する
- ガス抜きキャップがあれば使用する
- 風通しのよい場所で噴射音がなくなるまで吹き付ける
- 産業廃棄物または燃やせないゴミとして出す
プラスチックの容器
プラスチック容器は薬剤散布機や希釈用容器に、中身の農薬をボタ落ちが無くなるまでさかさまにして移します。
容器の約1/4の水を加えて密栓し、よく振った後に、散布液として使用してください。
水を入れて振る作業を計3回繰り返し、眼に見えるような付着分が無いことを確認し、容器内の水をよく切って、乾かしてください。
事業用の農薬の容器は、産業廃棄物として処分してください。
家庭用の農薬の容器であれば、プラスチックゴミとして自治体のゴミ回収に出せます。
■プラスチック容器の処分の流れ
- 残っている農薬を出す
- 水を入れてすすぐ
- すすぐ作業を3回繰り返す
- 産業廃棄物またはプラスチックゴミとして出す
農薬処分のポイント
余ってしまったり、使用期限が切れてしまったりした農薬を、安易に処分しないようにしてください。
こちらで紹介する農薬を処分する際のポイントを押さえておきましょう。
ホームセンターでの回収はほぼ不可
ホームセンターは農薬の販売は行なっていますが、ほとんどのホームセンターで回収していません。
農薬は、種類や成分によって、適切な処理方法が異なります。
農薬の処分に対応できるような専門的な設備や知識がホームセンターにはないため、回収が難しいです。
余った農薬を手軽に処分するなら業者に依頼することをおすすめします。
安いおすすめの不用品回収業者はこちら!
河川・用水路・下水などに流さない
河川・用水路・下水などに流してしまうと環境汚染になります。
河川法第67条により、農業や漁業に生じた被害の補償などの復旧費用の請求されることもあるので、流さないようにしましょう。
また不法投棄として、5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金または両方が、法人であれば、3億円以下の罰金が科されます。
未遂も処罰の対象になるため、絶対に行わないようにしてください。
自治体での容器の処分時は中身を出して捨てる
農薬の容器を処分する際、中身の農薬を完全に使い切り、容器内に中身が残っていないことを確認して捨てます。
洗浄方法は容器の材質によって異なりますので、「農薬の容器の処分方法」を参考に適切に洗浄してください。
また、容器の分別はお住まいの自治体によって異なります。自治体の窓口やホームページから確認してください。残った中身は、家庭菜園などで使い切りましょう。
農薬の処分は「不用品なんでも回収団」へ!
農薬の処分方法を事業者向けと家庭向けに分けて紹介しました。
処分方法を間違えると環境汚染や法律違反のリスクがあります。適切に処分するようにしましょう。
農薬の処分は業者に依頼するのが基本です!業者への依頼するのであれば手続きも簡単で安心して処分できます。
不用品回収業者なら事業者用、家庭用関係なく、農薬以外にも複数の不用品をまとめて処分できるのでおすすめです。
農薬やその他不用品の処分は、ぜひ「不用品なんでも回収団」にご相談ください。
-
農薬を処分したいのですがコメリで処分できますか?不用品回収業者に頼むのと何が違いますか?
コメリをはじめとするホームセンターでの処分はほぼ不可!不用品回収業者なら可能です!
コメリといったホームセンターでは、回収は原則としてできません。回収に持ち込んだとしても販売元に処分方法を確認するように案内されるでしょう。
農薬の処理には、対応できるような専門的な設備や知識が必要になってきます。しかしホームセンターにはないため、回収が難しいのが現実です。
農薬はすべて使い切れるように計画的に購入することが基本です。
使用期限が過ぎていないものであれば、家庭菜園で農薬を使っていないところへ使用するようにしてください。
どうしても余った農薬を手軽に処分するなら不用品回収業者に依頼することをおすすめします。
不用品回収業者には、産業廃棄物処理の許可もある業者もあります。そういった不用品回収業者であれば、事業用の農薬の処分も依頼できます。 -
使用期限が切れた古い農薬はどうやって処分しますか?
家庭用なら不用品回収業者、事業用なら産業廃棄物処理業者が一般的です。
使用期限が切れた古い農薬は使い切れないため、業者に依頼して処分をすることをおすすめします。
行政の許可を受けている不用品回収業者なら、家庭用事業用問わず回収可能!産業廃棄物処理業者に依頼するよりも比較的安価に農薬を処分できます。
不用品回収業者の特徴は以下の4つ。
・自分で運ぶ必要がない:業者に依頼すれば出張対応。運び出しから回収まで手間いらず
・種類を問わず回収:家具、家電製品だけでなく、衣類、書籍、おもちゃなど、ほとんどの種類の不用品を回収可能
・大量の不用品も対応:引っ越しなどで出た大量の不用品も、まとめて回収
・特殊な不用品も相談可能:廃棄方法が分からない特殊な不用品についても、適切に処分可能 -
スミチオンとオルトランの処分方法は?処分方法に違いはありますか?
処分方法の違いはありませんが、業者に依頼するのがおすすめです。殺虫・防虫効果のあるスミチオンやオルトラン。長期にわたって体に付いたり吸い込んだりすると、神経系の障害のおそれがある農薬ですので、適切に処分しましょう。
スミチオンかオルトランかによって処分方法に違いはありませんが、処分は業者に依頼することをおすすめします。
【おすすめの処分方法】
家庭用:不用品回収業者
業務用:産業廃棄物処理業者
処分の専門業者に依頼すれば、費用はかかってしまいます。しかし、直接引き取りに来てくれる上に、適切に処分できるため安心です。
ただし、業者選びの際には、かならず行政からの許可を確認の上、依頼してください。