この記事では、珪藻土マットの処分方法について幅広くまとめています。吸水性の高さからあらゆる用途で使われる珪藻土マットですが、発がん性物質のアスベストを含む製品については、処分方法が複雑です。
アスベストが含まれるか否かで処分方法も変わるため、適切な方法を把握しておきましょう。主な処分方法や自治体の分別ルール、注意点を紹介するため、処分予定の方は参考にしてください。
珪藻土マットの処分前にアスベスト含有商品か確認
珪藻土マットは、アスベストを含んでいるものか含まないものかで処分方法は大きく異なります。
しかしパッと見ただけではアスベストが混入しているかどうかはわかりません。まずは処分したい珪藻土マットがアスベスト含有商品か確認することが大切です。
珪藻土マットのメーカー
珪藻土マットを販売したメーカーでは、アスベスト含有が認められた製品の公表を行っています。
まずは購入した販売店やメーカーのホームページをチェックし、手元の珪藻土マットが該当するか確認しましょう。
メーカーからの公式発表があった場合には、厚生労働省のホームページにも掲載があります。
商品名や型番なども記載されているほか、わかりやすく写真も添えられているメーカーが多数ですので、見た目もあわせてチェックすると安心です。
珪藻土マットの購入日
商品名が同じ珪藻土マットでも、販売時期によってアスベスト含有かそうでないかがわかれている商品などもあります。
販売メーカーではどの期間に販売された商品がアスベスト含有の珪藻土マットなのかも公表しています。
購入時期など覚えがある場合には、販売時期と照らし合わせて確認しましょう。
不安な場合はメーカーや販売店に確認
珪藻土マットやコースターに、必ずしもアスベストが含まれているとは限りません。ダイソーやセリア、キャンドゥで過去に販売された珪藻土関連商品については、検査の結果アスベストは含まれていないことがわかっています。
しかし手元にある珪藻土製品にアスベストが含まれているか、確認したくてもよくわらかないというケースも少なくないでしょう。
どのメーカーにおいても、アスベストが含まれた珪藻土製品は、一般ゴミとして処分せず返品するよう呼びかけています。
アスベストが含まれているか曖昧なまま処分してしまうと、処分時にアスベストが飛散してしまうリスクが発生しまうでしょう。
もしも不安な場合には、販売店やメーカーに直接問い合わせるのが一番です。可能であればいつ頃購入したものなのかもわかると、よりスムーズに対応してくれます。
アスベストを含まない珪藻土マットの処分方法
アスベストを含まない珪藻土マットは、健康被害などのリスクはないため簡単に処分が可能です。
ここからは、アスベストを含まないことが確認できている、珪藻土マットの処分方法について解説します。
不用品回収業者に回収してもらう
もっともシンプルで手軽なのは、不用品回収業者に回収処分してもらう方法です。回収エリアに対応している不用品回収業者に依頼すれば、電話一本で珪藻土マットの回収に来てくれます。
珪藻土マット1枚当たりの処分手数料は、千円未満程度と決して高くはありません。ただし諸経費がかかることも多く、1点のみの回収だと割高になることも。
利用する際は、珪藻土マットだけでなく複数の不用品をまとめて回収してもらうとオトクに活用できておすすめです。
相場より安く対応しているおすすめ不用品回収業者はこちら!
自治体の不燃ゴミとして処分する
珪藻土マットは陶磁器製品に分類されるため、「不燃ゴミ(燃やさないゴミ・燃えないゴミ)」として自治体のゴミ取集で廃棄できます。
自治体によってルールは異なりますが、無料または指定ゴミ袋分の費用で安価に処分できます。
ただし自治体によって不燃ゴミとして排出する際は、大きさの制限が設けられていることが多いため、確認が必要です。
不燃ゴミのサイズに関するルールは、自治体によって異なります。以下は、自治体ごとの不燃ゴミのルールの一例です。
■自治体の不燃ゴミのルール例
- 自治体指定のゴミ袋に入れて排出
- 中身の見えるゴミ袋に入れて排出
- 約30cm以下を目安に中身の見える袋に入れて排出
割れる可能性があるものやすでに破損しているものなどは、新聞紙などで包んで「危険(キケン)」などと記載した上で廃棄するよう推奨されています。
自治体の粗大ゴミとして処分する
珪藻土マットの一辺が30cm(または50cm)を超える場合、粗大ゴミとして分別して処分が必要となるところも多いです。
粗大ゴミ受付センターなどへ事前に申し込みを行い、手数料分のシールを購入した上で、指定日時に玄関先(屋外)などに排出する流れが一般的です。
一般的なサイズの珪藻土マットであれば、最も低い料金(数百円程度)で回収してもらうことができます。
ただし、アスベストを含む珪藻土マットは、自治体の粗大ゴミでは回収できません。まずは、販売メーカーに対応を確認してから自治体粗大ゴミとして処分してください。
アスベスト含有の珪藻土マット処分はメーカーに相談
珪藻土マットに含まれているアスベストは決して多くないことや、製品として使用している分にはアスベストが飛散する心配がないため、通常通り使用する分には健康被害につながるものではありません。
しかし割ったり削ったりすればアスベストが飛散する可能性はゼロではありません。また、なんとなく心情的にこのまま使用するのは不安なため、処分を検討する人も少なくないでしょう。
各メーカーでは、アスベストが含まれている珪藻土マットの処分について、「一般のゴミとして処分しないよう」注意喚起した上で、返品するようアナウンスしています。
あくまでも対応をアナウンスしているメーカーの一例ですが、どのメーカーも同様の対応となっているため、「アスベストを含む製品は返品するのが基本的な対応」だと認識しておくとよいでしょう。
ニトリ:自主回収・返金
- 対象品目:バスマット、コースター
ニトリとデコホームで2016年12月4日〜2020年12月16日の間に販売された珪藻土商品(バスマットやコースター)の一部には、法令の基準を超える石綿(アスベスト)が含まれていることがわかっています。
これらの対象品については、「直ちに使用を禁止し、ビニール袋に二重に入れ、テープ等で封をする」など、飛散を防いだ上で直接購入店へ持ち込むようアナウンスしています。
持ち込み時には返金対応もしています。
※持ち込みが難しい場合は「お客様相談室フリーダイヤル :0120-209-993」にてご相談ください。
堀木工所:自主回収・交換
- 対象品目:バスマット、コースター、鍋敷き、エコホリン
堀木工所ではアスベストが含まれているバスマットやコースターを自主回収しています。梱包材の送付の際に、問題のない相当品を同梱してもらえます。
まずは「お問い合わせ番号:0120-001-937」へ連絡し、回収用の梱包材を送ってもらうよう手配をしてもらいましょう。堀木工所では返金での対応は行っていませんので、ご注意ください。
カインズ:自主回収・返金
- 対象品目:バスマット(2018年5月26日〜2020年12月12日に販売)
カインズでも珪藻土マットを自主回収しています。カインズではアスベストが検出された製品のほか、検出されなかった品目についても自主改修の対象としています。
こちらも手持ちのビニール袋などに入れてからテープで封をし、最寄りの店舗へ直接持ち込むようアナウンスしています。
最寄りの店舗への持ち込みが難しい場合や対象品か確認したい場合は、「お客様相談室専用フリーダイヤル〈無料〉:0120-659-337」に連絡し、対処法を確認してください。
いずれも返金対応をしてくれます。
ヤマダ電機(不二貿易による輸入品):自主回収・返金
ヤマダ電機にて販売していた珪藻土マットの一部からも、アスベストが検出され、いずれも自主回収の上返金対応を行なっています。
対象品は2020年7月以降に販売された、不二貿易株式会社輸入の珪藻土マット8品目です。
ヤマダ電機では「直ちに使用を中止し、ゴミ等で廃棄せずにビニール袋に 2重に入れテープ等で封をした上で」、直接ヤマダ電機の店舗に持ち込むか、お問合せ窓口に連絡するようアナウンスしています。
お客様相談窓口:0570-078-181
自治体ごとの珪藻土マットのゴミ分別ルール
自治体ごとの珪藻土マットのゴミ分別ルールについて、いくつかの自治体を例に挙げて紹介します。自治体ごとの分別ルールを、以下表にまとめました。
自治体名 | 分別 | 備考 |
---|---|---|
渋谷区 | 不燃ゴミまたは粗大ゴミ | アスベスト含有品は対象外 |
世田谷区 | 不燃ゴミまたは粗大ゴミ | アスベスト含有品は対象外 |
町田市 | 不燃ゴミまたは粗大ゴミ | リサイクル広場に無料持ち込み可能 アスベスト含有品は対象外 |
横浜市 | 不燃ゴミまたは粗大ゴミ | アスベスト含有品は対象外 |
川崎市 | 可燃ゴミまたは粗大ゴミ | アスベスト含有品は対象外 珪藻土製品は地域所管の生活環境事業者へ事前連絡が必要 |
さいたま市 | 珪藻土製品は収集不可 | 指定の受入施設への持ち込みで処分可能 |
千葉市 | 不燃ゴミまたは粗大ゴミ | アスベスト含有品は対象外 |
珪藻土マットは陶磁器製品に分類される地域が多いため、各自治体の分別方法に従い処分を進めてください。
ただし、アスベストを含むものや珪藻土が使われた製品について取り扱いが変わる自治体もあるため注意が必要です。自治体ごとの詳細を以下で紹介します。
渋谷区
渋谷区では、アスベスト含有の珪藻土等製品は販売者が回収するものと定めており、ゴミとしての廃棄や販売者指定の方法以外で返送することは認めていません。
対象製品や回収方法については、各販売者のホームページを確認するか相談窓口へ問い合わせてください。
アスベスト未使用の珪藻土マットについては、不燃ゴミまたは粗大ゴミとして自治体で回収可能です。
世田谷区
世田谷区では、珪藻土マット等のアスベスト含有物は収集対象外となっており、販売業者へ相談の上で処分を進める必要があります。
アスベスト未使用製品は、不燃ゴミまたは粗大ゴミで適宜対応してください。
町田市
町田市では、アスベストを含む珪藻土製品は収集の対象外です。市のゴミ収集には出さず、各メーカーや販売店に問い合わせの上で、適切な方法で処分してください。
アスベスト未使用の製品は、不燃ゴミまたは粗大ゴミで市が収集可能です。
横浜市
横浜市では、アスベスト含有の珪藻土製品は市の収集が不可能です。販売店やメーカーへ問い合わせの上、適宜対応してください。
アスベスト未使用の珪藻土製品については、長さ50cm未満のものは不燃ゴミ、50cm以上のものは粗大ゴミへ出しましょう。
川崎市
川崎市では、アスベストを含まないの珪藻土マットは可燃ゴミとして処分可能です。ただし、製品のアスベスト含有の有無が不明な場合は、あらかじめ地域所管の生活環境事業所への連絡が必要です。
- 川崎生活環境事業所(電話:044-266-5747)
- 中原生活環境事業所(電話:044-411-9220)
- 宮前生活環境事業所(電話:044-866-9131)
- 多摩生活環境事業所(電話:044-933-4111)
連絡の上「アスベスト含有可能性あり」と記載したメモを袋に貼り付けて収集所に出しましょう。
さいたま市
さいたま市では、アスベストを含む珪藻土製品は回収対象外で、メーカーまたは販売者の回収による対応が必要と定めています。
また、アスベストを含まない珪藻土製品についても自治体ゴミとして出すことは認められておらず、以下3つの受入施設による回収のみ可能です。
- 西部環境センター(電話:048-623-4100)
- クリーンセンター大崎(電話:048-878-0989)
- 桜環境センター(電話:048-710-6010)
珪藻土マットをはじめ、珪藻土製品の処分時はゴミ収集所に出さないように注意してください。
千葉市
千葉市では、アスベストを含む珪藻土製品は回収対象外で、それ以外の製品は不燃ゴミ、または粗大ゴミとしての処分が可能です。
アスベストを含む製品は販売者等に問い合わせの上、適切な回収方法で処分を進めてください。
アスベスト含有の珪藻土マットが処分しづらい理由
珪藻土マットの処分方法に悩む理由には、「焼き物のような素材のため分類に悩む」という他に、「アスベスト素材が混入しているかもしれない」というものがあります。
2016年頃から「珪藻土」と呼ばれる藻類を使用した製品が、吸湿性に優れているとして注目を浴びるようになり始めました。
珪藻土を使ったバスマットは瞬く間に大ヒット商品となり、多くのメーカーから「珪藻土マット」が販売されるようになりました。
アスベストとは別名で「石綿(せきめん・いしわた)」とも呼ばれる素材で、大量に吸い込むことにより、以下のようなさまざまな健康被害を及ぼすとされています。
- 肺線維症(じん肺)
- 悪性中皮腫
- 肺がん
それまで日本ではビルなどの建築物において保温断熱素材として使用されてきました。またコースターなどを製造していたメーカーもあります。
しかしこうした健康被害が発生することがわかり、昭和50年には日本国内でのアスベストの使用が原則禁止となったのです。
しかし中国、米国、タイ、ロシア、インドなどでは、現在もアスベストの使用は禁じられていません。
そのため、禁止となっていない国に珪藻土マットの製造を依頼したメーカー品の一部に、アスベストが混入してしまう事態となってしまったのです。
「不用品なんでも回収団」なら珪藻土マットの処分もOK!
アスベストを含む珪藻土マットは手軽にゴミとして処分できない地域がほとんどで、メーカーへの相談など手間のかかるケースも多いです。
処分困難な珪藻土マットを手軽に処分したい方は「不用品なんでも回収団」におまかせください。
珪藻土マットをはじめあらゆる品目の処分に対応、取り扱い危険なものから有毒性の高いものまで、熟練スタッフが徹底した安全管理のもと迅速に対処します。
大量の不用品も、相場に見合うパックプランの利用でお得に処分できます。費用を抑えて安全に不用品を処分したい方は、即日対応も可能な不用品なんでも回収団までお気軽にお問い合わせください。
-
珪藻土マットを購入したお店はわかるのですが、商品名や購入時期など確認するすべがありません。外箱やパッケージなども処分してしまいました。どうすればよいでしょうか。
商品名や販売時期の確認ができなくても大丈夫です。まずは販売店やメーカーに電話で確認してみましょう。
店舗の方でアスベスト含有かどうか調べてくれるほか、その後の処分方法などについてもわかりやすく説明してもらえます。 -
珪藻土マットの処分を検討しているのですが、不注意で割ってしまいました。アスベストが含まれていないことは確認できているので安心ですが、ひとまずこれをどうすべきか悩んでいます。
アスベストを含んでいないものでも、割れると細かな破片や土の粉などがでます。
まずは割れた珪藻土マットをビニール袋などに入れ、再び割れても珪藻土が飛散しないよう対策しましょう。崩れてしまった珪藻土は掃除機などで吸い込まず、濡れた雑巾などで拭きとるのがおすすめです。
あとはそのまま、可燃ゴミや不燃ゴミなどに出せば大丈夫です。 -
珪藻土バスマット以外にも、いろんな珪藻土アイテムがあります。どれもアスベストを含まない商品ですが、こまごましたものもあり分別が手間です。まとめて回収してしてもらうことはできますか?
もちろんお任せください。
珪藻土マットに限らず、コースターやプレートなどといった小物などもまとめて処分が可能です。
周囲の大きな不用品などもございましたら、あわせて回収させていただくこともできますので、遠慮なくご相談ください。 -
アスベストを含む珪藻土マットを一般ゴミで処分したらどうなりますか?
アスベストが含まれた珪藻土マットは、原則一般ゴミとして処分できません。
誤って一般ゴミとして処分した場合は不法投棄とみなされ、5年以下の懲役または1,000万円以下の罰金、またはその両方の重い罰則が課せられるため注意しておきましょう。
所属する自治体の処分ルールについて事前によく調べて、適切な方法で処分を進めてください。 -
珪藻土マットの処分費用を抑えるためには、どの方法がベストですか?
珪藻土マットの処分費用を少しでも安く抑えたい場合、アスベストを含まないものについては自治体の一般ゴミとして出すのがおすすめです。
アスベストを含むものについては、購入した店舗に連絡することで自主回収や返金・交換対応を実施してもらえるため、連絡の手間のみで費用もかかりません。
珪藻土マット以外にも不用品が多数あり、それらをまとめて処分したい場合には、不用品回収業者が提供するパックプランの利用が最適です。