ゴミ屋敷・汚部屋=発達障害?片付けられない病気や障害と解決策

この記事では、発達障害がゴミ屋敷化・汚部屋化してしまう関係性について解説します。

結論としては、発達障害だからといってゴミ屋敷化するわけではありません。

発達障害の方向けの部屋の片付け方法も併せて紹介していますので、お悩みの方は参考にしてください。

発達障害=ゴミ屋敷するというわけではない

発達障害=ゴミ屋敷にしてしまうというわけではない

本記事では発達障害について触れていますが、無用な偏見や誤解を招かないよう留意してまとめています。

また参考にしていただく際は、さまざまな種類や特性があることを理解いただいたうえで記事をご覧ください。

発達障害とは

発達障害とは「発達障害者支援法」において以下のようなものであると定義されています。

この法律において「発達障害」とは、自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるものをいう。

引用:発達障害者支援法 第一章 総則 第二条

 

年代によって発達障害の種類や呼び名、分類は異なっています。

現在は上記のように定義されていますが、特性が複合して表れることもあるため、必ずしもひとくくりで判断できない部分もあります。

発達障害=片付けられないわけではない

発達障害をもつかたは、その特性ゆえに片付けることを苦手に感じてしまったり、段取りよく片付けられなかったりすることがあります。

とはいえ発達障害と診断を受けているからといって、必ずしもゴミ屋敷にしてしまうというわけではありません。

あくまでも特性によって片付けや整理整頓が苦手な傾向にあると理解することが大切です。

また適切に対処することで脱汚部屋・ゴミ屋敷防止も可能です。

「発達障害だから片付けられない、仕方がない」と決めてしまわず、自身やご家族の特性を理解したうえで何ができるのかを考えてみましょう。

ADHD(注意欠如・多動症)とゴミ屋敷の関係性

AD/HD(注意欠如・多動症)とゴミ屋敷の関係性

AD/HDとされる発達障害の傾向や特性と、ゴミ屋敷の関係性について解説します。

ADHDの特性

ADHDは別名注意欠陥・多動性障害とも呼ばれています。

ADHDには以下のような特性がみられることが多いです。

  • 注意力が散漫で気が散りやすい
  • 物をなくしやすい
  • スケジュールの管理が苦手
  • 金銭管理などが得意ではない
  • 1つのことに集中して取り組めない
  • 思いついたことは後先考えず実行してしまいがち
  • 衝動的に行動してしまう
  • 感情が高ぶり落ち着いて話せないなど

 

ADHDとされた人でも、すべての特性が現れるわけではありません。

多動や衝動性の強いタイプや不注意の傾向が強いタイプ、両方の特性や強く出るタイプなどさまざまです。

汚部屋・ゴミ屋敷とADHDの関連性

ADHDの特性を持つ人は、片付けに集中できず途中でほかのことを始めてしまう傾向があります。

物の管理や把握が得意ではなく、整理整頓なども苦手です。

そのため部屋中に物が散乱しやすく、どこに何があるのか把握できないこともしばしばあります。

またゴミ出しの日にあわせてゴミをまとめておいても、ゴミの日にはすっかりそのことを忘れてしまうなんてことも。

何週間もゴミ出しができず、たくさんのゴミ袋が室内にたまってしまうこともよくあることなのです。

場合によってはゴミ出しや分別のルールがいまいち理解できないことから、ゴミ出しができないケースも。

同様に「うまく片付ける」「物をあるべき場所に収める」ということがうまくできないために、片付けられないケースもあります。

発達障害/ADHDでもできるゴミ屋敷化しない片付け方

発達障害/ADHDでもできるゴミ屋敷化しない片付け方

ここからは、発達障害/ADHDの方にある特性を活かした具体的な片付け方を解説します。

ADHDの人は、集中力を長時間キープすることがむずかしいため、短時間で片付けることを特に意識するのが大切です。

また、いくつもの作業を同時に進めることは、情報量が多すぎて整理できなくなる可能性があります。

そのため、ADHDの特性が強い方は以下のことを実践しましょう。

  • 「片付けをする時間」を1日のうちに組み込む
  • タイマーで時間を測って片付けをする
  • 1か所に絞って片付ける
  • 敢えて「見える収納」にする
  • なんでもBOXを一部屋に1つ準備する
  • 無理に捨てる必要はない

順に説明します。

「片付けをする時間」を1日のうちに組み込む

まず、発達障害/ADHDの方は、1日のうちで「片付けをする時間」を確保しましょう。

おおよそ「何時から何時の間に片付ける」という大まかな設定でも問題ありません。

片付けをする時間が決まったら、スマホのアラームをかけておきます。

発達障害/ADHDの方は、決めたことを忘れてしまうことも多いので「片付けをする時間」だとわかるようにメモを入れるのもおすすめです。

タイマーで時間を測って片付けをする

集中力は、通常15分が限界と言われています。

発達障害/ADHDの方だと、集中できる時間はさらに短く、10分以下のことも。

そのため、自身がなんとか集中力が続く時間だけ片付け作業をするのがおすすめです。

スマホでタイマーをかけて、10分、15分くらいが目安です。

集中する時間をそれ以上長くする必要はありません。

また、10分~15分の片付けができたからと、同じ日に別の場所を片付ける必要もありません。

発達障害/ADHDの方は、小さい範囲でも「片付けられた」という成功体験をすることが重要です。

1か所に絞って片付ける

発達障害/ADHDの方は、1か所に範囲を絞って片付けましょう。

一部屋、家を丸ごと片付けるなどと、広い範囲の片付けをすると決めるのはおすすめできません

発達障害/ADHDの方は、飽きっぽい特性があるため、長時間、広い範囲を片付け続けることがむずかしいからです。

収納1つだけ、部屋の1㎡の中だけなど、狭い範囲にするのがおすすめです。

敢えて「見える収納」にする

片付けて、物を収納するのを敢えて「見える収納」にするのもおすすめです。

発達障害/ADHDの方は、何を持っているのか忘れていることも多く、次々と物を購入してしまうことも。

結果として物を多く所有することになり、物が多い部屋になってしまうのです。

外から見えるクリアケースに衣服を収納する、カバンや帽子は壁掛けのフックで管理するなど、できるだけ見えるようにすることがポイントです。

なんでもBOXを一部屋に1つ設置する

発達障害/ADHDの方は、物を元の位置に戻すことが苦手です。

少し歩けば収納があるときでも「面倒くさい」「後でやろう」が先に立ってしまうので、物が出しっぱなしになりがちです。

一部屋につき1つ「なんでもBOX」を設置してみてください。

なんでもBOXの大きさは洗濯カゴくらいが目安です。

片付けるのが面倒に感じたら、その中に放り込むだけでいいので精神的にも楽になります。

そして、毎日の片付け時間になんでもBOXを片付けるようにしてみてください。

無理に捨てる必要はない

発達障害/ADHDの方は、よくある「捨てる」ことをメインとした片付け方は実践しなくてOKです。

「捨てる」ことがメインの片付け方は、片付け作業の中でも難易度が高いからです。

捨てる基準を決めて実践するには、必要、不要、保留と仕分ける作業が加わるため、情報量が多くなりすぎて、挫折してしまいます。

もちろん明らかに捨てるのがわかっているものは捨てて、迷うものは、いったん収納していきます。

まずは、捨てることよりも「整理整頓」をメインに進めていきましょう。

ASD(自閉スペクトラム症)とゴミ屋敷の関係性

ASD(自閉スペクトラム症)とゴミ屋敷の関係性

発達障害のなかでもASDの特性を持つ方の傾向や、ゴミ屋敷化との関係性について解説します。

ASDの特性

ASDと呼ばれる「自閉スペクトラム症(自閉症やアスペルガー障害)」には以下のような特性がみられることがあります。

  • こだわりが強い傾向がある
  • ルーティンを好み変化が苦手
  • 同時に複数のことをこなせない
  • イレギュラー対応がむずかしい
  • 臨機応変に対処することができない
  • 人とのコミュニケーションは得意ではない

 

いつも同じことを同じように行うことで安心する特性があり、逆に変化を苦手とします。

また人の考えや思考を読み取るのが苦手なため、コミュニケーションがうまく取れないこともあります。

汚部屋・ゴミ屋敷とASDの関連性

ASDのこだわりが強い特性により、行き過ぎた収集癖や物を捨てられないといったことが、汚部屋やゴミ屋敷へとつながっていく場合があります。

他人から見ると明らかに不要なものでも本人にとってこだわりがある物であれば、なかなか処分できません。

また臨機応変な対応がむずかしいため、物事を同時に進めることも苦手です。

マルチタスクで付けを進めるのがむずかしいため、片付けに時間がかかってしまいます。

さらに一つのことに集中しだすと周囲が全く見えなくなってしまうことがあり、片付けに意識が向かなくなってしまうことも。

手元にあったものを机や床に置いた瞬間に視界から消えてしまうこともあるので、散らかっていることに意識が向かないこともあります。

このようなASDの特性や傾向により、部屋の片付けがうまくいかず、ゴミ屋敷化してしまうことがあるのです。

発達障害/ASDにおすすめのゴミ屋敷化しない片付け方

発達障害/ASDにおすすめのゴミ屋敷化しない片付け方

つづいて、発達障害/ASDの方向けに、ゴミ屋敷化しないための片付け方を解説します。

ASDの方はADHDと違い、こだわりの強さが大きな特性です。

また興味の向くことがらが、極端に狭いのも特性の1つ。

実は、発達障害/ASDの方は、「こだわりの強さ」+「限定的な興味」を利用すれば、比較的簡単にゴミ屋敷化することを防げます。

しかし、自閉症などの傾向があるASDの方は実践がむずかしい場合も多いでしょう。

自閉傾向があるASDの方は、医療機関にも相談しながら、片付け方を模索してみてください。

発達障害/ASDの特性を活かした片付け方の一例は以下の通りです。

  • 片付けをルーチン化する
  • こだわるポイントを洗い出す
  • すべてを「ルール化」する

片付けをルーチン化する

発達障害/ASDの方は、毎日同じことを繰り返し行うことで安定します。

片付け作業を日々のルーチンに組み込むだけで、徐々に部屋の片付けが進められるでしょう。

一日の決まった時間、決まったエリアを規則正しく片付ける習慣があれば、まずゴミ屋敷化することはありません。

発達障害/ASDの方は「自分で決める」ことでルーチン化することができるようになることが多いです。

当事者の方なら、自分自身で片付けをルーチン化することを決めましょう。

また、発達障害/ASDの方は、合理的にものごとを進めることも好みます。

お子さんであれば、片付けで得られるメリットを説明することや、片付けをしておくことでいかに合理的に生きていけるのかを説明することも重要です。

無理に断捨離せずに「こだわり」を洗い出す

発達障害/ASDの方が興味を持つ物、事柄はは「深く・狭く」の傾向があります。

そのため、断捨離しても捨てられない、捨てたくない物もあるはずです。

一般的に言われる「断捨離」を実行することはかなり高いハードルです。

発達障害/ASDの方は、無理して物を捨てる必要はありません

まずは「こだわり」がどこにあるのか洗い出すのが効果的です。

収集癖があるタイプの発達障害/ASDの方は、集めるアイテムがどのジャンルなのか、どのカテゴリなのかなどを明確にしましょう。

そして、こだわっていないことがはっきりしたものだけを処分してみてください。

すべてを「ルール化」する

発達障害/ASDにおすすめの片付け方法としては、すべての「ルール化」も有効です。

「1年着ない服は捨てる」「2回読まない本は処分する」など、明確に数値を伴ったルールをメモにするのもいいでしょう。

決まったことを決められた通りに実行できるのは、発達障害/ASDの人の特性でもあり、活かさない手はありません。

ただし、重要書類などとっておくべきものも一緒にルールに盛り込んでおきます。

生活に支障が出ないようにすることも1つのルールに加えておくのも重要です。

発達障害から二次疾患に陥るケースも多い

発達障害から起因して精神疾患に陥るケースも多い

発達障害を抱える人のなかには、うつ症状や不眠症、セルフネグレクトやため込み症のような精神疾患に悩んでいる人もいます。

発達障害の特性からくる生きづらさや人間関係などに悩み、心身に不調をきたす人は少なくないのです。

また発達障害の治療のために服用している薬の副作用や飲み方の誤りなどにより、気分の落ち込みや眠気、だるさといった不調が起こってしまうこともあります。

こうした理由から、部屋の掃除や片付けが困難になってしまうことも珍しいことではないのです。

精神疾患や心の病気がゴミ屋敷化につながるケースについては、以下が参考になります。

発達障害でもゴミ屋敷化させないためのコツ

発達障害でもゴミ屋敷化させないためのコツ

片付けが苦手な発達障害でも、ちょっとした工夫や対策を講じることで、脱汚部屋・ゴミ屋敷化防止が可能です。

ゴミ屋敷化させないためのコツをいくつか紹介します。

投薬治療で症状を抑える・和らげる

発達障害を病気のようにとらえる人もいますが、正しくは「脳機能」の障害によるものです。

発達障害自体を「治す」ということはできませんが、投薬治療を行うことで症状を抑えることや、和らげることは可能です。

自身の特性や症状に合った薬を服用していれば、悩みや生きづらさから解放され、片付けや掃除などもスムーズに行えます。

特性を理解して片付けやすいよう工夫する

自身の苦手な部分や特性を理解し、特性にあわせて片付けやすい部屋作りを行うのもひとつの方法です。

片付けが苦手な人も工夫次第で散らかりにくく、片付けやすい部屋にすることは可能です。

たとえば収納場所をラベリングすることで考えずに片付けられるようにする、衣類はたたまず収納できるよう吊り下げ式や放り込み式にして工数を減らすなど。

リマインダーアプリや音声タイマーなどを活用し、ADHDの特性を補うといった工夫もできます。

部屋さがしの際は、ゴミの日に関係なくゴミ捨てができるマンションを選ぶといった方法もあります。

困ったときは人を頼ることも検討して

ASDやADHDの人は、とにかく片付けるのが苦手な傾向にあります。

ですがどうしても無理だと感じたときは、友人や家族を頼ることも視野に入れましょう。

ですが発達障害の人は、人に相談したり頼ったりすることも実は苦手です。

そうした特性もふまえ、あらかじめなんらかのサインがみられたときは相手の方から片付けを申し出てもらえるよう、あらかじめ双方で取り決めておくのがおすすめです。

「困った時はお互い様」と日ごろからコミュニケーションを重ねておくとよいでしょう。

ただし人間関係を築くのが苦手などの特性があるかたにとっては、相談や頼り事がストレスになってしまうこともあるかもしれません。

このような場合は、家族との間で定期的に連絡を取り合うことをルーティン化し、部屋の状況などを伝えるなどといった方法も検討してみてはいかがでしょうか。

発達障害でゴミ屋敷化したら片付け業者に依頼もおすすめ

片付けが進まないときは不用品回収業者や片付け業者に任せよう

特性を理解していても、思うように部屋が片付かないこともあります。

片付けられないことで自信を無くし、自分を責めるような気持になってしまうこともあるでしょう。

片付け業者ならすぐに片付けができる

そんな時は無理に自力で片付けようとせず、潔く他人に片付けを任せてしまうのもひとつの手段です。

不用品回収業者や片付け業者を利用すれば、短時間であっというまにゴミ屋敷から脱出できてしまいます。

不用品回収業者には発達障害や精神疾患により、思うように片付けができず悩むかたからの相談がたくさん寄せられます。

片付けられない悩みにも親身に対応してもらえるため、気に病むことなく割り切って利用できます。

片付けが進まないときや急ぎで片付けが必要なとき、ゴミ屋敷状態で手に負えないときなどは遠慮なく相談してみましょう。

ゴミ屋敷片付けの費用相場

以下は、東京近郊で片付け代行業者を利用した場合の費用相場です。

片付け作業を任せられるだけでなく、片付けで出た不用品やゴミの回収や処分まで丸ごとおまかせ可能です。

ゴミ屋敷の程度がより深刻な場合は、もう少し費用は高くなります。

部屋の間取り 料金相場
1R~1K 30,000円~60,000円
1DK~1LDK 50,000円~90,000円
2DK~2LDK 100,000円~250,000円
3DK~ 150,000円~200,000円

 

水まわりが汚れてしまっていて使えないという場合は、ハウスクリーニングなどの相談もあわせてできます。

その場合の費用相場は以下のとおりです。

清掃箇所 費用相場
9,000円~15,000円
水回り 7,000円~15,000円
レンジフードや換気扇 6,000円~20,000円
エアコン 8,000円~12,000円

どうしても自力での対応がむずかしい場合は、パパッと依頼してしまい、一度リセットしてしまうのがおすすめです。

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