本記事では精神疾患や心の病気がもとで、ゴミ屋敷化してしまう理由や要因について解説しています。
片付けが困難な症状につながりやすい心の病気や、ゴミ屋敷ならないための対策なども紹介します。
日ごろ片付けられずにお悩みの方はもちろん、精神疾患や心の病を抱えるかたのご家族にとっても参考にしていただける情報ですので、ぜひ最後までご覧ください。
ゴミ屋敷につながる精神疾患や心の病気
先述したさまざまな症状が起こる精神疾患の中には、正式に疾患名や病名として認知されているものも少なくありません。
片付けられない・散らかりやすいといった症状を引き起こしがちな、精神疾患をいくつか紹介します。
※必ずしもその疾患を患っているからといって、ゴミ屋敷にしてしまうというわけではありません。
うつ病・気分障害・適応障害
うつ病になると、生活に関わる気力を失い、生きていくための行動が億劫に感じられるようになります。
こうした症状がもとで自身の身の回りや身体状態を顧みないようになり、ゴミ屋敷化を引き起こしてしまうことも珍しくありません。
気分だけでなく体調面でもだるさやしんどさ、肩こりや頭痛といった症状が伴うこともあり、片付け作業がつらいと感じてしまうこともあります。
片付けの気力がわかない、体調が思わしくないといったさまざまな症状から、ゴミ屋敷へとつながっていってしまうのです。
双極性障害
双極性障害は、うつ状態と躁状態を繰り返す精神疾患です。
双極性障害は気分が極端に高揚して活発になる期間と、気持ちが落ち込む期間が交互に訪れるのが特徴。
うつ状態のときは何も手につかないほど落ちこんだり気分が重く、体調も思わしくないため片付ける気力がわきません。
一方、躁状態のときは一見すると元気そうに見えるのですが、部屋が散らかっていても気にならなかったり、気分が大きくなりすぎて問題を軽視してしまうこともあります。
また衝動的に買い物をしてしまうなど、無計画に物を増やしてしまうこともあります。
強迫性障害(強迫性貯蔵症/ため込み症)
強迫性貯蔵症(ため込み症)とは、強迫性障害などの精神疾患などが原因で物を手放せなくなる病気です。
単なる趣味で物を集めるのとは違い、なんらかの強迫観念や不安感から物をため込んでしまうのが特徴。
物を手放す際にも、手放すことを考えるだけでとてつもない不安感にかられ、苦痛を感じてしまいます。
他人から見ると明らかにゴミでしかないものも、本人にとっては「捨てられない大切な物」として認識されます。
そのためなかなか物を減らすことができず、片付けも非常に困難です。
ゴミ屋敷ではたびたび、猫や犬の多頭飼いなども問題視されますが、この多頭飼いも「動物ため込み」と呼ばれるため込み症の症状のひとつです。
統合失調症
統合失調症とは感情や思考、行動がうまく噛み合わず、チグハグになってしまう病気です。
幻覚や妄想などの「陽性症状」、意欲や自発性が低下する「陰性症状」、認知機能が低下して臨機応変に対応することが難しくなる「認知機能障害」など、大きく分けて3種の症状が起こるのが特徴。
部屋が散らかっている状況がうまく理解できなかったり、抑うつや気分の落ち込みなどからセルフネグレクトを起こしてしまうなど、片付けが困難になりやすい条件が複数揃ってしまうのです。
幻聴や幻覚から常に監視されていると感じ、恐怖心や不安感から外出や外部とのコミュニケーションを絶ってしまう人もいます。
買い物依存症
買い物依存症のかたもゴミ屋敷化しやすい傾向にあります。
買い物依存症の症状には、過剰な買い物欲求を抑えられなくなってしまうというものがあります。
買い物をすることで一時的な満足感が得られるため、必要以上の物を次々と購入してしまうのです。
その結果自宅にいらない物がどんどんと溜まり、ゴミ屋敷化する原因となるのです。
認知症
認知症を患うと、現在自分が置かれている状況が適切に判断できなくなってしまうことが多いです。
部屋があれていることが理解できなかったり、同じものを何度も購入してしまう、ゴミ出しのルールが理解できなくなってしまうなど。
日常生活を送るのにも支障が出てきてしまうと、片付けもままならなくなってしまいます。
症状が深刻になればなるほどゴミ屋敷化の条件が整ってしまうのです。
精神疾患でゴミ屋敷化する原因や理由
住まいをゴミ屋敷にしてしまう人の中には、「精神疾患」や「心の病(病気)」を抱え、片付けたくても片付けられずにいる人もいます。
ただし精神疾患があるからといって、必ずしも住まいをゴミ屋敷にしてしまうというわけではありません。
それぞれ精神疾患や心の病が引き起こす症状はさまざまですが、部屋を片付けられなくなってしまうのには共通した原因や理由があるのです。
体調不良に陥ってしまう
精神疾患がもとで、片付けが困難になる程までに体調を崩してしまうことがあります。
場合によってはそうした状況が、何日も何週間も続くことだって珍しくありません。
体調不良の程度は「だるい」程度から、「体を起こすのが困難な」状況までとさまざまです。
ちょっとした片付けくらい簡単にできるだろうと思われる方もいるかもしれません。しかし、精神疾患がもとで体調不調に陥っている状態の場合、精神状態なども相まって、ほんの少しの片付けすら難しいこともあるのです。
こうした状況が続けば、片付けるべき場所や範囲も広くなり、掃除や片付けがどんどん負担となってしまいます。
片付ける気力が伴わない
精神疾患の悩みがない人でも、部屋の片付けや掃除が面倒に感じたりおっくうだと感じてしまうことがあるでしょう。
精神疾患を抱える人の場合、こうした気持ちがより顕著にでてしまい、コントロールがむずかしいこともあります。
片付けなければいけないとわかっていても気分が伴わず後回しにしてしまう、片づ付けたくても気力がわかず手につかないケースも珍しくありません。
だらしがない、甘えていると感じてしまう人もいるかもしれませんが、こうしたコントロールが効かないといった問題も、精神疾患の症状によって起こされるものなのです。
不眠からくる昼夜逆転
精神疾患を抱える人の中には、不眠症や過眠症など眠りに関する不調を訴える人も少なくありません。
昼夜逆転の生活を送る人もおり、朝起きれないために自治体のゴミ収集の時間にあわせてゴミ出しができないケースも多いのです。
このような状況が繰り返されることにより、室内にはたくさんのゴミ袋であふれかえってしまうことも。
マンション住まいなどで曜日を問わずゴミを排出できる場合は良いですが、集積所に出すような場合は注意が必要です。
適切に片付けるための判断ができなくなる
精神疾患の症状がもとで、片付けの段取りや手順がうまく組み立てられなくなってしまうこともあります。
ゴミを処分するための段取りなども含め、片付けのための能力や判断力が低下してしまうのです。
目の前にある書類の分類やメイク道具の収納など、一般の人にとっては他愛もないことでも、何をどうすべきか判断できなくなってしまうことだってあります。
また賞味期限が切れた食品などを処分するといった判断もつかず、乾物などは古くなったものがどんどん溜まっていってしまうこともあるのです。
こうした症状がある場合には、自宅にある物の数や種類が判断できず、すでにあるものを新たに購入してしまうこともあります。
散らかっていても気にならない・どうでもいいと感じる(セルフネグレクトなど)
精神疾患の症状により、身の回りのことに気が回らなくなってしまうケースもあります。
いずれにせよ片付ける以前に部屋が荒れている状態でも、気にも留めないようになってしまうのです。
特定の精神疾患の中には、このように自身を大切にせず、基本的な生活を顧みないといった症状(セルフネグレクト)が現れることもあります。
お風呂に入らない、身なりを気にしないといった行動と同様、部屋が荒れていても片付けるという選択肢がないのがセルフネグレクトです。
不安感からものを集める・捨てることに抵抗を感じる
精神疾患や心の病により、心の不調をきたすことも多いです。
さまざまな心理から、物を手放すことに不安感や抵抗感を覚える方もいます。
また特定の物を集めることに執着してしまい、どんどんと物をため込んでしまうケースも。
こうした症状は、部屋のスペースや散らかり具合に関わらず、物を手元に置いてしまうといった行動へとつながりがちです。
どちらも気持ちが満たされることはないため、ほぼ際限なく物が増え続けた結果、ゴミ屋敷と化してしまうのです。
精神疾患によるゴミ屋敷を防ぐ・解消するための対策
精神疾患や心の病気などが元で住まいがゴミ屋敷化してしまう場合、一筋縄では問題解決にいたりません。
周囲の人が片付けを促しても思うようにいかず、強引に片付けようとしても拒絶されてしまいうまくいかないことも珍しくはありません。
ケースバイケースとなりますが、精神疾患が原因で起こるゴミ屋敷化を防ぐ方法や解消するための対策をまとめました。
医療機関を受診し精神疾患を治療する
精神疾患の多くは、心療内科や精神科を受診して適切な投薬治療を受けることで症状の抑制や改善が期待できます。
体調や症状の改善が見込めれば、部屋の片付けを行う判断や気力の回復にもつながります。
ゴミ屋敷化予防もそうですが、健やかな生活を送るためにも治療は欠かせません。
ご自身に病識がある場合は、治療第一で行動することが大切です。
双極性障害や統合失調症などの場合、自身の判断で通院することがむずかしいケースや精神科受信を拒否してしまうこともあります。
ご家族や周囲のかたが協力し、医療機関などと相談しながら適切な診療や支援が受けられるようすすめていくことが大切です。
片付け支援が有効なことも
本人が嫌がらないのであれば、ご家族や友人などが片付けを手伝うといった支援も有効です。
抑うつ状態で体調が思わしくない状況が続くのであれば、どんなに本人に片付けるよう伝えてもうまくいきません。
本人が行動できる状態であれば片付けをサポートし、場合によっては片付けをかわりに行うなどの対策が必要です。
ただし片付けのサポートに関しては、居住者とのトラブルへと発展してしまうこともあるため慎重な対応が必要です。
しっかりとコミュニケーションをとり、話し合いのうえで片付けるかどうか判断しましょう。
片付けをプロに任せるのもひとつの手
ほんの少し片付けを手伝ったとしても、症状が改善していない限りすぐにまた元に戻ってしまいます。
居住者の了解が得られるのであれば、一度徹底的に片付けを行い「脱ゴミ屋敷」をはかることも大切です。
もちろんこのような場合には、医療機関で適切な診療を受けることもセットで行うことが大切です。
一気に片付けを進める場合は、プロの片付け業者や不用品回収業者を頼るのがおすすめ。
時間をかけず一気に片付けることで、環境改善や気持ちの切り替えにつなげられます。
依頼する場合は精神疾患によるゴミ屋敷化に理解がある業者に相談するのがベストです。
しっかりと寄り添い、適切な対応をとりながら片付けてもらえるので安心して任せられます。
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ゴミ屋敷の片付け・不用品処分の費用相場
ゴミ屋敷の片付けや不用品処分をプロの片付け業者に依頼した場合の、費用相場について解説します。
ゴミ屋敷の片付け料金相場
ゴミ屋敷の片付けの場合、ゴミの量や体積状況によって料金が大きく異なります。
片付け作業にかかる時間や必要になる人員、処分することとなるゴミの量などに比例するイメージです。
床からの積載量が50cm未満の場合
部屋の間取り | 部屋の間取り |
---|---|
1R/1K | 30,000円~100,000円 |
1DK/1LDK | 50,000円~150,000円 |
2DK/2LDK | 80,000円~250,000円 |
3DK/3LDK | 110,000円~350,000円 |
4LDK〜 | 140,000円~ |
床がかろうじて見えている状態のゴミ屋敷の片付けや、堆積しているゴミの高さがひざ下程度の場合の料金相場です。
片付けにかかる時間は数時間程度となるため、そこまで高い費用になることはありません。
床からの積載量が100㎝未満の場合
部屋の間取り | 料金相場 |
---|---|
1R/1K | 70,000円~170,000円 |
1DK/1LDK | 110,000円~280,000円 |
2DK/2LDK | 150,000円~450,000円 |
3DK/3LDK | 250,000円~600,000円 |
4LDK〜 | 450,000円~ |
ゴミの量が腰丈程度まで積もっている場合には、多くのゴミが室内にあることが想定されます。
ゴミの種類が混在し、分別作業が増えるほど費用は高くなります。
床からの積載量が150㎝未満程度
部屋の間取り | 料金相場 |
---|---|
1R/1K | 150,000円~ |
1DK/1LDK | 250,000円~ |
2DK/2LDK | 350,000円~ |
3DK/3LDK | 500,000円~ |
4LDK〜 | 600,000円~ |
大人の胸元近くまでゴミが堆積している場合、実際は見た目よりも多くのゴミがそこにある状態です。
少しずつ重ねられたゴミは、固く踏み固められている状態のため、片付け作業にもかなり時間を要します。
見積額もケースバイケースとなるほか、作業時間もかなりかかるものと理解しておく必要があるでしょう。
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不用品回収パックプラン
ある程度の片付けは自分で行い、いらない物だけを回収してもらうという片付け方法もあります。
このような場合には、不用品回収パックプランの活用がおすすめです。
以下は不用品回収パックプランの料金相場です。
パックプランには簡単なゴミの仕分けや分別作業や運び出し作業などの作業料があらかじめ含まれています。
パックプラン | 料金相場 | 利用トラックの目安 |
---|---|---|
Sパック | 28,000円~40,000円 | 軽トラック |
Mパック | 45,000円~60,000円 | 1.5tトラック |
Lパック | 60,000円~80,000円 | 2tトラック |
LLパック | 80,000円~お見積り | 4tトラック |
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ハウスクリーニングの料金相場
ゴミ屋敷の片付け後に、ハウスクリーニングが必要な場合もあります。
ゴミ屋敷片付け業者の多くでは、ハウスクリーニングなどの業務も提供している場合もあります。
間取りごとの料金相場
以下は間取りごとの清掃・ハウスクリーニング料金の相場です。
主に床や壁の掃除を行います。
間取り | 料金相場 |
---|---|
1K~1LDK | 25,000円~48,000円 |
2DK~2LDK | 45,000円~100,000円 |
3DK~3LDK | 60,000円~120,000円 |
4DK | 68,000円~150,000円 |
清掃箇所ごとの料金相場
スポット別に、より徹底したクリーニングを行いたい場合には、以下の料金相場が参考になります。
清掃箇所 | 料金相場 |
---|---|
床 | 9,000円~15,000円 |
エアコン | 7,000円~15,000円 |
水回り | 6,000円~20,000円 |
レンジフードや換気扇 | 8,000円~12,000円 |
こうしたハウスクリーニング料金は、ゴミ屋敷の片付けとセットで依頼することで割引価格が適用となる場合もあります。
必要な場合は遠慮なく相談してみることをおすすめします。
精神疾患によるゴミ屋敷を放置するリスク
精神疾患の方の中には、その症状などから片付けを不得意とする人もたくさんいます。
しかしゴミ屋敷を放置していると、さまざまな面で悪影響を受けるため決して放置はおすすめできません。
あらためて、精神疾患を理由にゴミ屋敷を放置することのリスクや問題点をまとめました。
悪臭・カビなどが発生して衛生状態が悪化する
ゴミ屋敷ではホコリなどの汚れのほか、さまざまな悪臭やカビなども発生します。
そのような不衛生な環境で生活を続ければ、体にとっても決して良くはありません。
免疫力低下などにもつながり、病気などの原因となることもあるのです。
害虫・害獣が発生する
ゴミ屋敷はゴキブリやねずみのような害虫や害獣にとって、非常に快適な空間となります。
ゴミ屋敷に集まった害虫や害獣は、あっという間に繁殖してしまいます。
害虫や害獣は病原菌を媒介することもあるため非常に危険です。
しかしゴミ屋敷にはゴミやチリ、食べ残しも多く、住みかとなる物陰や暖をとれる段ボールなど、害虫や害虫にとって過ごしやすい環境が整っています。
駆除するにはこうした環境改善が必須となるのです。
火災発生の可能性が高まる
ゴミ屋敷では物の倒壊やつまづき転倒によるケガなどのリスクが高まります。
またコンセントの断線やコンセントにたまったほこりが原因で、火災が発生する可能性も非常に高いのです。
火災の発生は自身の家だけでなく、近隣へ迷惑をかけてしまう可能性も十分にあります。
滞積したゴミに足をとられて逃げ遅れてしまう事故なども多く、命の危険もあることを知っておくべきでしょう。
別の精神疾患にかかることもある
ゴミ屋敷は非常に閉塞的で不衛生な空間です。
環境は快適な暮らしとは非常に程遠い状態にあります。
このような環境で暮らすことは、精神衛生的にも決して良くはありません。
物が多く散らかった部屋で暮らすことに、かなりのストレスを感じる人も多いです。
もともと持っている精神疾患に加えて、うつ症状や不眠症など別の精神疾患を合併してしまう可能性もぐんと高まってしまうでしょう。
精神疾患でゴミ屋敷化したら「不用品なんでも回収団」におまかせ!
「不用品なんでも回収団」は精神疾患が元で片付けられない方のためのゴミ屋敷片付け代行を行っています。
体調や精神面にも配慮し、丁寧にコミュニケーションをとりながら、安心していただけるサービスの提供を行っております。
予算に応じた対応もしておりますので、費用面が不安で片付けられずにいる方も是非ご相談ください。
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