この記事では、エアコンの処分の中でも費用に焦点を絞って解説します。
エアコンの処分には必ず費用がかかりますが、その処分費用には幅があります。
処分方法ごとの費用を解説するとともに、費用を抑えられる方法と、費用が高くなるケースも紹介。
自身に合った処分方法が分かりますので、ぜひ参考にしてください。
エアコンは家電リサイクル法対象
家電リサイクル法は、家庭から排出される特定の家電製品を適切にリサイクルし、資源の有効活用と廃棄物の削減を目的としています。
家電リサイクル法は、エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機が対象です。
資源を循環させるために、消費者がリサイクル料金を支払い、メーカーがリサイクルを行うという仕組みになっています。
エアコンを処分する際は、以下のいずれかの方法でリサイクルを行うことになります。
◼︎エアコンの処分方法
- 買い替え時に引き取りを依頼する
- 過去に購入した販売店や業者に引き取りだけを依頼する
- 自治体が指定する引き取り場所に持ち込む
- まだ使えるものなら売却する
売却する場合を除いて、処分には費用がかかります。料金はメーカーや販売店、利用する処分手段によって異なりますので、事前の確認が必要です。
エアコン処分費の内訳
エアコンの処分にかかる費用は、「リサイクル料金」と「収集運搬料金」が基本です。しかし、状況によっては他にかかる費用もあります。
こちらでは、エアコン処分にかかる費用の内訳を解説します。
リサイクル料金
◼︎1,000円〜3,000円程度
リサイクル料金は、家電リサイクル法に基づいて、メーカーが製品を回収し、分解、再資源化する際にかかる費用です。
リサイクル料金は、メーカーや機種によって異なります。
多くの主要メーカーの家庭用エアコンは、おおむね1,000円前後ですが、メーカーによっては2,000〜3,000円程度かかるケースもあります。
自分で指定引取場所に持ち込む場合は、郵便局で「家電リサイクル券」を購入してください。
エアコンのリサイクル料金は、室内機と室外機を合わせて1台分とカウントされることが一般的です。
収集運搬料金
◼︎2,000円〜4,000円程度
「収集運搬料金」は、引き取ったエアコンの運搬費用、人件費などにかかる費用で、リサイクル料金とは別にかかります。
収集運搬料金は、エアコンを引き取る家電量販店や販売店が独自に設定する費用です。
家電量販店の場合、新しいエアコンを購入する際に引き取りを依頼すると、費用は2,000〜3,000円程度が一般的です。
しかし、処分のみを依頼する場合は、3,000〜4,000円程度になることがあります。
指定引取場所に持ち込む場合は、収集運搬料金はかからず、支払うのはリサイクル料金のみです。
取り外し料金
◼︎4,000円〜10,000円程度
「取り外し料金」は、現在設置されているエアコンを、壁や配管から取り外す作業にかかる費用です。
収集運搬料金と同様、取り外し料金も家電量販店や業者が独自に設定するため、依頼する業者によって料金に差が出ます。
相場としては、標準的な設置状況であれば1台あたり5,000円から10,000円程度が一般的です。
エアコンの処分を業者に依頼する際は、事前に料金の詳細を確認しておきましょう。
そのほかの料金
エアコンの処分費は、「リサイクル料金」「収集運搬料金」「取り外し料金」が主ですが、状況によっては「その他の料金」が発生することも。
そのほかの料金として多いのは、室外機が屋根や壁面など高所に設置されている場合の追加費用です。
また、遠方から依頼するケースでは出張費用がかかることもあります。以下にそのほかの料金をまとめましたので参考にしてみてください。
作業内容 | 料金目安 |
---|---|
高所作業 | 5,000円~10,000円程度 |
室外機の二段置き | 無料~5,000円程度 |
天井吊り | 無料~5,000円程度 |
隠ぺい配管(埋め込み配管) | 2,000円~4,000円/m程度 |
運搬困難時 | 3,000円~6,000円程度 |
出張費 | 3,000円〜10,000円程度 |
不用品回収料金 | 3,000円〜(処分する分量による) |
不用品回収業者に依頼する場合、「リサイクル料金」と「収集運搬料金」がかからない代わりに、回収費用がかかるケースが多いです。
まとめて処分する「パック料金」や「単品料金」などが設定されています。
エアコンの処分費用が高くなるケース
こちらでは、エアコンの処分費用が高くなるケースについて3つ解説します。
室外機が特殊な場所に設置されているケース
◼︎特殊な設置例
- 高所に設置されている
- 複数の室外機を上下に重ねて設置している
- 室外機を天井から吊るしている
室外機がベランダや地面ではなく、屋根の上や建物の壁面など、高所に設置されている場合には、処分費が高くなりやすいです。
安全に作業を行うために特殊な器具や人員が必要となり、「作業費」が加算されます。
また、複数の室外機を重ねて設置している場合や、室外機を吊るしている場合も、取り外し作業が複雑になるため、追加料金が発生します。
隠ぺい配管(埋め込み配管)になっているケース
隠ぺい配管は、エアコンの室内機と室外機をつなぐ配管が、建物の壁や天井の中に埋め込まれている設置方法です。
見た目がすっきりするメリットがありますが、通常の設置よりも慎重な作業と高い技術が求められる配管方法です。
多くの場合は、配管を壁の内部に残したまま、室内機と室外機を外すことになります。
しかし、配管が老朽化している、または新しいエアコンの配管と太さが合わない場合は、配管の交換が必要になります。
配管の処理や壁の修正、新しい配管ルートの作り直しなどは、大がかりな工事になるため、費用も高額になりやすいです。
狭い・特殊な搬出方法が必要になるケース
◼︎狭い・特殊な搬出方法の例
- 通路が狭い
- 階段が急
- 搬出場所がエレベーターがない3階以上
- 配管の撤去に近隣の協力が必要
エアコンの室内機や室外機が、通常の運び出しでは難しい場所に設置されているケースでも、追加費用が発生します。
通路が狭かったり、階段が急だったりすると、作業員が複数人必要になるためです。
そのほか、エアコンの室内機や室外機の搬出は簡単でも、配管の撤去が困難なケースでも費用が高くなることもあります。
隠ぺい配管でなくても配管の撤去のため、近隣の敷地を借りてハシゴをかけるような場合もこれにあたります。
エアコンの処分費を抑えるためのコツ
こちらでは、エアコンの処分費を抑えるためのコツを4つ紹介します。
指定引取場所へ自分で持ち込む
指定引取場所へ自分で持ち込めば、支払うのは「リサイクル料金」のみになるため、2,000円から4,000円程度削減できます。
また、業者のスケジュールに合わせる必要がなく、都合の良い時に持ち込めるのもメリットです。
ただし、エアコンの取り外しが難しい場合は、取り外し料金がかかりますが、専門業者に依頼することをおすすめします。
この方法は、運搬手段があり、取り外し作業は専門家に任せても、運搬費を節約したい方に有効です。
リサイクルショップやフリマアプリでの売却
年式が新しく状態の良いエアコンであれば、処分費用がかからず、むしろ利益を得られる可能性があります。
売却の対象になるのは、一般的に製造から5年から10年以内のエアコンです。メーカーや機種、使用状態が査定に大きく影響します。
リサイクルショップで売却するなら、出張買取サービスもあります。
取り外しから運搬まで行ってくれるところもあるため、対応してくれるリサイクルショップなら手間がかかりません。
また、以下のようなフリマアプリならリサイクルショップよりも高値で売却できる可能性があります。
- メルカリ
- PayPayフリマ
- ラクマ
- ヤフオク!
出品価格を自分で決められるため、希望の金額で売れれば高く売れる可能性があります。
ただし、取り外し作業の手配や、送料を加味した上での出品価格を設定する必要があるという点は押さえておいてください。
家電量販店に買い替えと同時に依頼する
最も一般的で効率的な方法が、新しいエアコンを家電量販店で購入する際に、古いエアコンの引き取りを同時に依頼することです。
- ヤマダ電機
- ケーズデンキ
- エディオン
買い替えと同時に処分を依頼すると、処分のみを依頼する場合に比べて、安い料金設定になっています。
新しいエアコンの購入手続きと同時に、古いエアコンの引き取りを申し込むだけで済みます。
複数の業者に連絡を取る手間や、自分で家電リサイクル券を準備する手間がかからず、処分ができます。
不用品回収業者で他の家電もまとめて処分する
不用品回収業者は、「Sパック(軽トラック)」「Mパック(2トントラック)」など、一定の容量や作業時間に応じたパック料金を設定しています。
不用品回収業者に依頼すれば、すべての不用品の処分をまとめて任せられるため、個別に手続きをする手間が省けます。
単品回収にも対応している業者が多く、料金も3,000円〜となっているため便利です。
不用品回収業者は即日対応が可能なので、急いでいる方にもおすすめです。
東京近郊のパックプランの相場は以下にまとめましたので、参考にしてみてください。
パックプラン | 料金相場 | 利用トラックの目安 |
---|---|---|
Sパック | 28,000円~40,000円 | 軽トラック |
Mパック | 45,000円~60,000円 | 1.5tトラック |
Lパック | 60,000円~80,000円 | 2tトラック |
LLパック | 80,000円~お見積り | 4tトラック |
まとめ|エアコンの処分費を安く抑えるポイント
エアコンの処分費を安く抑えるには、以下のポイントを意識して処分方法を選ぶことが重要です。
- 新しいエアコンを購入するなら家電量販店で依頼する
- 製造から5年以内の状態の良いエアコンなら、売却
- 取り外しが簡単で、運搬手段があるなら指定引取場所に直接持ち込む
- 複数の不用品を処分したい場合は、不用品回収業者
エアコンの処分費は、取り外し料金が大きな割合を占めます。
隠ぺい配管や高所設置など、特殊な状況では追加料金が発生するため、見積もりの段階で正確な設置状況を伝え、内訳を確認しましょう。
エアコンやそのほかの不用品をまとめて処分するなら、ぜひ「不用品なんでも回収団」にもご相談ください。
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エアコンは粗大ゴミとして処分できますか?
できません。エアコンは家電リサイクル法の対象品目に指定されており、粗大ゴミとして出すことはできません。処分する際は、リサイクル料金を支払って適切な方法で回収してもらう必要があります。
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エアコンの処分費用はいくらかかりますか?
処分費用は一般的に1万円前後です。内訳はリサイクル料金(990円〜2,000円)に加え、収集運搬料金(2,000〜6,000円前後)や取り外し工事費(4,000〜10,000円前後)が発生します。設置環境によっては追加費用がかかることもあります。
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エアコンの処分費用を最も安くする方法は?
最も安く済ませるには「自分で指定引取場所に持ち込む」方法です。リサイクル料金(990円〜2,000円)のみで済み、収集運搬費用が不要になります。ただし、自分で取り外し・運搬できる体力と工具が必要です。
取り外し工事も含めて安く済ませたいときは、不用品回収業者も視野に入れてみましょう。 -
不用品回収業者の「無料回収」は本当に無料ですか?
注意が必要です。「無料」とうたっていても、実際には現地で追加費用を請求されるケースがあります。行政からの許可を持つ正規業者かどうかを確認し、料金内訳や見積書を必ず事前にもらいましょう。
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賃貸物件の備え付けエアコンを処分したい場合は?
自己判断で処分してはいけません。賃貸住宅の備え付けエアコンは貸主(大家や管理会社)の所有物であることが多く、勝手に撤去するとトラブルになるおそれがあります。必ず事前に管理会社へ相談しましょう。