カイロの正しい処分方法について解説します。
カイロには使い捨てカイロと充電式カイロがあり、特に充電式カイロは誤った捨て方をすると火災につながるおそれがあります。
この記事では、カイロの取り扱いにおけるNG行動や火災リスクについても解説。
自治体ごとの分別ルール、捨てる際の注意点や再利用方法までが分かりますので、ぜひ参考にしてください。
カイロは種類と自治体によって捨て方が変わる
カイロの種類や自治体によって捨て方が変わってきますので、こちらでは、種類ごとの捨て方を解説します。
使い捨てカイロは一般ゴミで捨てる
地域 | ゴミの種類 |
---|---|
東京(江東区) | 燃やさないゴミ |
東京(千代田区) | 燃やさないゴミ |
横浜市 | 燃やすゴミ |
大阪市 | 燃えるゴミ |
名古屋市 | 不燃ゴミ |
札幌市 | 燃やせるゴミ |
使い捨てカイロの捨て方は、自治体によって「燃やせるゴミ」や「燃やさないゴミ」に分かれます。
多くの自治体では、カイロの外装に使われている不織布が燃やせるものであることなどから、「燃やせるゴミ」として扱うケースが一般的です。
一方で、カイロの主成分が鉄粉である点から、「燃やさないゴミ」として分別を定めている自治体もあります。
処分する際は、自治体のホームページや配布されているゴミの分別ルールを確認し、指示に従って正しく捨てるようにしてください。
充電式カイロはリチウムイオン電池として捨てる
充電式カイロには、リチウムイオン電池が内蔵されているため、使い捨てカイロのように一般ゴミとして捨てられません。
リチウムイオン電池は、破損やショートにより発火・爆発の危険性があります。
日本では法律により、小型充電式電池の回収と再資源化が義務付けられているため、適切な方法での処分が求められます。
◼︎正しい処分方法
- 家電量販店やホームセンターなどに持ち込む
- 自治体の施設にある小型家電回収ボックスに投函する
いずれの方法で処分する場合も、電池の端子部分にテープを貼って絶縁処理をしてから処分するようにしてください。
リチウムイオン電池の処分方法や取り扱いについては以下の記事も参考にしてみてください。
未使用の使い捨てカイロの捨て方
こちらでは、未使用の使い捨てカイロの捨て方を解説します。
未使用のカイロをそのまま処分しても火災になる可能性は限りなく低いです。
しかし、自治体によっては、未使用のカイロの処分方法についても指示しているところもあります。
例えば、愛知県の岡崎市では、「未開封のものは開封して完全に熱がなくなってから可燃ゴミとして排出する」と明確に指示しています。
1.いったん開封する
未使用のカイロは使用期限が過ぎているものも含めてパッケージから取り出します。
使い捨てカイロは鉄粉の酸化作用によって発熱する仕組みです。
ゴミ処理の過程で何らかの拍子にパッケージが破れたり、空気に触れたりすると、予期せず発熱する可能性があります。
それを防ぐためにも心配な場合は開封しておくことをおすすめします。
2.完全に冷めるまで待つ
未使用のカイロを開封した後、カイロが冷めるまで放置します。
製品によって異なりますが、カイロの発熱が持続する時間は10~20時間程度です。発熱が終わって手で触って冷たくなっていることを確認します。
念のためさらに数時間放置するなど、完全に冷め切った状態で、自治体のルールに従って処分しましょう。
3.カイロ専用に袋に入れる
完全に冷め切った未使用の使い捨てカイロは、そのまま自治体の指定するゴミ袋に入れればOKです。
より安全に、かつ衛生的に処分するために、別途カイロを入れる専用の袋を用意してそこに入れることをおすすめします。
カイロの中身の細かい粉末がゴミ収集時に、袋が破れた際にゴミ袋の外に飛び散るのを防ぐためです。
粉が散乱すると、清掃員の作業に支障をきたすだけでなく、衛生上の問題にもつながります。
そのため、カイロを小さなビニール袋や新聞紙で包んでから、自治体の分別ルールに従った大きなゴミ袋に入れましょう。
4.自治体のルールに従って処分する
完全に冷めて、個別に袋に入れた未使用の使い捨てカイロは、最終的に自治体が定めるルールに従って処分します。
使い捨てカイロの分別は、「燃やせるゴミ」または「燃やさないゴミ」に大きく分かれます。
必ず自治体のごみ分別ガイドや公式ホームページを確認し、指定された収集日に正しい分別区分で出しましょう。
使い捨てカイロで火事になるリスクは低い
使い捨てカイロが原因で火事になるリスクは極めて低いです。
カイロは、鉄粉が酸素と反応する酸化という作用が起こる際に発生する「酸化熱」を利用しています。
カイロの酸化熱はかなり熱くなりますが、発火を引き起こすほどの高温には達しない60℃前後になるように設計されています。
したがって、使用中や使用後に自然発火したり、周囲の物を燃やしたりする危険性はありません。
使い捨てカイロの有効期限の目安は2年~5年
使い捨てカイロには有効期限が設定されており、一般的に2年~5年程度を目安としている製品が多いです。
有効期限は、パッケージに表示されている発熱時間や温度などの性能を保証する期間のことです。
有効期限を過ぎたカイロの使用は、全く使えなくなるわけではありませんが、推奨はしません。
持続時間が短くなるなど、想定される性能が出ない可能性があります。
もし期限切れのカイロを処分する場合は、開封して発熱させ切ってから、自治体のルールに従って捨てましょう。
使い捨て・充電式カイロを捨てる際のNG行為
こちらでは、使い捨て・充電式カイロを捨てる際のNG行為を解説します。
使い捨てカイロを破って中身を出す
使い捨てカイロをハサミなどで破り、中身の鉄粉や活性炭などを出す行為はNGです。
カイロの中身が非常に細かい粒子状であるため、散乱するとゴミ収集員や近所に迷惑をかけてしまいます。
そのほか、吸い込んでしまう可能性も否定できません。
自治体は、中袋の不織布に包まれた状態を一つの「ゴミ」として分別指定しています。
安全かつ円滑な処理のため、カイロは破らずに必ずそのままの形で処分しましょう。
発熱を促すために使い捨てカイロを揉む
使い捨てカイロは、発熱を促すために揉むのではなく、外袋から出して空気に触れさせる、あるいは振るだけで発熱が始まります。
むしろ、カイロを揉むと酸素を取り込むための小さな通気孔が中身の粉で目詰まり、発熱が悪化してしまいます。
そのため、「揉まずに振る」のが、最も効率よく温かさを引き出す正しい使用方法です。
振る場合には、中身に空気を送り込むようにするのがポイントです。
水をかけて捨てる
使い捨てカイロの処分時に水をかけても温度が下がりますが、反応を止められるわけではありません。
水が蒸発すると発熱が再開されますので、水をかけてもほとんど意味がありません。
むしろゴミとして出す際に水分が多いと、重くなりますし、鉄粉が流出して環境への影響や清掃作業の妨げになります。
特に水をかけたからといってカイロが異常な高温になったり、発火したりすることはありませんが水をかけるのは避けてください。
膨張した充電式カイロをゴミに出す
リチウムイオン電池の膨張は電池の劣化や内部でガスが発生しているサインです。
この状態のバッテリーは、ゴミ収集車での圧縮や処理施設での衝撃で、ショート・破裂・発火する危険性が極めて高いです。
実際に、これが原因でゴミ収集車や処理施設での火災事故が多発しています。
膨張した充電式カイロは、端子部分を絶縁テープで覆った上で、JBRC協力店や自治体の窓口に相談してください。
JBRC協力店や自治体の窓口で回収ができない場合には、不用品回収業者を利用することをおすすめします。
すぐに駆けつけてくれる不用品回収業者については以下の記事で紹介していますので参考にしてみてください。
使い捨てカイロの再利用方法3選!
こちらでは、使い捨てカイロの再利用方法を3つ解説します。
靴やブーツの消臭剤として
使い捨てカイロは、使用後に冷めたものを靴やブーツの消臭剤として再利用できます。
カイロの成分に含まれる活性炭には、表面に無数の小さな穴があり、これがニオイ成分や湿気を吸着します。
使い終わったカイロを袋のまま、長時間履いた靴やブーツの中に入れるだけで、不快なニオイを軽減します。
市販の消臭剤と比べると効果の持続時間は短いですが、捨てる前の手軽な再利用方法として最適です。
靴箱や収納の除湿剤として
使い捨てカイロは、消臭剤だけでなく、除湿剤としても再利用できます。
カイロの主成分である鉄粉に加え、活性炭やバーミキュライトが、空気中の湿気を吸着してくれます。
靴箱や、カビの発生を防ぎたいクローゼットの隅にカイロを袋のまま置いておくだけで、簡単な除湿・消臭効果を発揮。
市販の専用除湿剤ほど長持ちはしませんが、捨てる前の有効活用として、経済的な再利用法です。
家庭菜園の肥料として
使い捨てカイロの中身は、家庭菜園の土壌改良剤や肥料として再利用できます。
カイロの成分には、園芸用の土としても使われるバーミキュライトや、植物の生育に必要な鉄分などが含まれています。
廃棄物を減らしつつ、土の保水性や通気性を向上させるエコな再利用が可能です。
カイロの処分は自治体のルールを守ること!
使い捨てカイロは、各自治体の方針により、「燃やせるゴミ」「燃やさないゴミ」のいずれかに分かれます。
充電式カイロはリチウムイオン電池を含むため、一般ゴミに入れると火災のリスクがあります。
JBRC協力店や、小型家電回収ボックスなどを利用しなければなりません。
ゴミ処理での火災などの事故を防ぐため、自治体のホームページやガイドで正しい分別区分を確認し、ルール通りに処分してください。
膨張している充電式カイロは火災のリスクが高いため、即日処分できる不用品回収業者をおすすめします。
カイロの処分に困ったらぜひ「不用品なんでも回収団」にご相談ください。
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使い捨てカイロは何ゴミですか?
自治体によって異なりますが、多くの地域では「燃えるゴミ」または「燃やさないゴミ」に分類されます。
例えば、横浜市や大阪市では燃えるゴミ、東京23区では不燃ゴミ扱いの区もあります。
お住まいの自治体公式サイトの分別表で確認しましょう。 -
未使用のカイロはそのまま捨てても大丈夫?
未使用のままでも火災の危険はほとんどありませんが、念のため開封して中身を酸化させ、完全に冷めてから処分するのが安全です。
密封状態のままだと熱を持つ場合があるため、開封してから数時間おくのがおすすめです。 -
充電式カイロはどうやって捨てればいいですか?
充電式カイロは内部にリチウムイオン電池を含むため、家庭ゴミとして捨ててはいけません。
家電量販店や自治体に設置されている 小型家電回収ボックス に出すのが安全で、環境にも優しい方法です。
取り外しできる電池が入っている場合は、電池を抜いて「充電池回収協力店」に出しましょう。 -
カイロを水に濡らすと危険ですか?
使い捨てカイロを水に濡らすと、鉄粉の酸化が促進されて一時的に温度が上がる場合があります。
発火することはありませんが、熱を持つことがあるため水をかけて捨てるのは避けましょう。
完全に冷めてからゴミとして処分してください。 -
期限切れのカイロは使えますか?
多くのメーカーでは、使い捨てカイロの有効期限を 3〜5年 としています。
期限が切れていても使用できる場合がありますが、発熱温度や持続時間が低下することがあります。
災害用などで備蓄している場合は、定期的に入れ替えを行うと安心です。