この記事では実家の片付けにかかる費用の全体像について解説します。
さらに、実家の片付けを依頼できる業者の特徴や、費用を抑えるための具体的な方法についても解説。
よくある疑問である「誰が費用を負担すべきか」についてもわかりやすく解説しています。
実家の片付けにかかる費用を把握し、自分に合った最適な方法を見つけられるので、ぜひ参考にしてください。
実家の片付けにかかる費用の全体像
こちらでは、実家の片付けにかかる費用の全体像を解説します。
【自分でやる場合】意外と見落としがちな費用
自分で実家を片付ける場合には、以下の費用を事前に予算に組み込んでおく必要があります。
- 自治体の処分費用
- リサイクル料金と収集運搬費
- 消耗品代
- 車両費
- 交通・宿泊費(実家が遠方の場合)
自治体に支払う処分費用や、エアコン・テレビなどの家電リサイクル対象品の処分費用は、意外と高額になります。
また、トラックなどの車両レンタルをする場合には、レンタル料金とガソリン代がかかり、この費用も安くはありません。
ゴミを処分する際は、ゴミ袋や段ボール、ガムテープに加え、家が汚れている場合は雑巾や掃除用具も必要です。
仕分け作業では消耗品を予想以上に使うため、意外と費用がかかります。
【業者に依頼する場合】実家の片付け業者費用の相場
実家の片付けを業者に依頼する場合、費用は間取りと不用品の量によって変わります。
一般的な相場は以下の通りで、人件費、車両費、不用品の運搬・処分費が含まれることが多いです。
部屋の間取り | 料金相場 | トラックサイズの目安 |
---|---|---|
1R~1K | 40,000円~60,000円 | 軽トラック |
1DK~1LDK | 50,000円~90,000円 | 1.5tトラック |
2DK~2LDK | 100,000円~250,000円 | 2tトラック |
3DK~ | 150,000円~270,000円 | 4tトラック |
同じ間取りでも、いわゆる「ゴミ屋敷」のように物量が多い場合は、相場を超えるケースもあります。
また、エレベーターの有無、実家前の駐車環境、建物の階数などによって費用が加算されることが多いです。
さらに、遺品整理、特殊清掃・エアコンの取り外し、庭木の伐採などを依頼すると、それぞれ別途オプション費用が発生します。
実家の片付け費用は誰が払う?
実家の片付けにかかる費用は、状況によって負担者が変わります。
親が存命中の「生前整理」や片付けの場合は、基本的に実家の所有者・居住者自身が負担します。
子供が手伝う場合でも、費用は親の財産から出すのが一般的です。
親が亡くなった後の「遺品整理」の場合は、原則として相続人が負担します。この場合、故人の残した預貯金などの財産から支払えます。
もし、相続人が複数の場合は、法定相続分に応じて相続人全員で分担するのが一般的です。
ただし、費用負担の割合に法律上の明確な規定はないため、話し合いで柔軟に割合を決めても問題ありません。
実家の片付けを依頼できる業者の種類
こちらでは、実家の片付けを依頼できる業者について、その特徴と利用シーンを解説します。
不用品回収業者
不用品回収業者は、大量の不用品をまとめて処分するプロです。
不用品回収に加え、遺品整理や生前整理、簡単な清掃、買取サービスを提供している業者も多く、家を丸ごと片付けする場合におすすめです。
◼︎不用品回収業者のメリット
- 大量の不用品を分別から運び出しまで一括して任せられる
- 自治体では回収できないものもまとめて回収してくれる
- 最短で即日対応可能な業者も多く、手間と時間を短縮できる
多くの業者は、軽トラックや2トントラックなどの「積み放題パック」を提供しています。
物量が多い実家の片付けであっても、おおよその費用がわかります。
ただし、状況によっては思っていたパックプランでは対応できないこともあるため、事前に複数社から見積もりをとるようにしてください。
遺品・生前整理業者
遺品整理業者・生前整理業者は、不用品回収にとどまらず、「心の整理」をサポートするプロです。
仕分け作業がメイン業務であり、遺族に代わって貴重品や思い出の品を細かく捜索し、仕分けてくれます。
◼︎遺品・生前整理業者のメリット
- 遺品整理士などの専門資格を持つプロが対応してくれる
- 遺族の精神的・物理的負担を軽減できる
- 形見分けや遺品の供養にも対応してくれる
- 遺品の仕分けから不用品回収まで対応してくれる
遺品・生前整理業者は、遺品整理士といった専門スタッフが対応してくれるため、安心して任せられる点が大きなメリットです。
不用品回収業者は不要品の処分が中心ですが、遺品・生前整理業者は遺品を一つ一つ丁寧に扱ってくれます。
実家が遠方で、遺品整理に立ち会う時間がない場合でも、すべて任せられます。
特殊清掃業者
特殊清掃業者は、通常の清掃や不用品回収業者では対応できない現場の原状回復を行うプロです。
孤独死や事件・事故など、故人の死亡後に発見が遅れた現場で、体液・血液の除去、腐敗臭の消臭・除菌、害虫駆除などを行います。
◼︎特殊清掃業者のメリット
- 一般のハウスクリーニングでは対応できない清掃に対応してくれる
- 専用の薬剤やオゾン脱臭機などを使って感染リスクをなくせる
- 清掃作業と同時に遺品整理にも対応してくれる業者もある
特殊清掃の一環として床材や壁材の撤去・解体といったリフォームが必要な作業まで対応してくれる業者が多いです。
費用は現場の汚染度や間取りによって高額になることがありますが、一般人ではなかなか手に負えない現場を安心して任せられます。
不動産会社
不動産会社は、家を売却する、あるいは賃貸に出すことを前提とした場合に、片付けの窓口となる業者です。
不動産会社自体が片付け作業を行うわけではありませんが、提携する専門業者を使って、片付け・処分をトータルで対応してくれます。
◼︎不動産会社のメリット
- 売却まで手間なくワンストップで任せられる
- 物件の売却価値のある状態にしてくれる
家の売却金額は安くなってしまいますが、複数の業者に連絡・調整する手間がなくなります。
不動産売却ありきで片付けを検討する場合は、不動産会社に相談すれば、最も効率的な処分方法を提案してもらえます。
実家の片付けを業者に任せた方が良いケース
こちらでは、実家の片付けを業者に任せた方が良いケースを紹介します。
遠方でなかなか片付けに行けない
実家が遠方にあり、なかなか片付けに行けない場合は、業者に依頼するメリットが非常に大きくなります。
遠方にある実家の片付けを自力で行おうとすると、時間的・経済的・精神的な負担が膨大になります。
また、自治体のゴミ出しルールや粗大ゴミ回収の予約を帰省のタイミングに合わせるのはかなり難しいです。
交通費や宿泊費、何より時間的なコストを考慮すると、業者に一括で任せた方が結果的に安上がりになることが多いです。
精神的・物理的な負担が大きい
遺品整理の場合、故人の持ち物の一つ一つ要不要を判断する作業は、想像以上に精神的に疲れます。
業者に依頼すれば、遺族の気持ちに配慮して作業を進めてくれるため、精神的な負担を抑えつつ、効率的に仕分け作業を進められます。
また、大量の重い家具や家電、大量の不用品の運び出し・処分が伴う重労働も軽減。
特に一人っ子で身近な協力者がいない方や体力的な自信がない方、時間が取れない方は、業者の力を借りることをおすすめします。
ゴミ屋敷になっている
ゴミ屋敷の片付けは、カビ、異臭、害虫、害獣の温床になっており、不衛生な環境での作業は、感染症や健康被害のリスクがあります。
また、床が見えないほどのゴミを分別し、運び出す作業は、非常に多大な体力と時間が必要です。
特に、大型家具の裏や押し入れの奥まで長年溜まったゴミは重いため、自力での搬出は困難です。
ゴミを撤去した後も、染み付いた強烈な臭いや酷い汚れが残るため、ゴミ屋敷になっている場合には業者に依頼することをおすすめします。
実家を片付けの始め方や、成功例を知りたい方は以下の記事も参考にしてください。
実家の片付け費用を抑える方法
こちらでは、実家の片付け費用を抑える方法を解説します。
不用品買取を活用する
不用品買取に対応した業者なら、まだ使える家電、家具、ブランド品などは査定して、回収・作業費用から直接差し引いてくれます。
高価な遺品が多く見つかった場合、作業費がゼロになったり、逆に手元にお金が戻ってくることも。
片付けと買取査定をワンストップで提供している業者を選べば、複数の業者を手配する手間が不要になり、効率的です。
どんなものが売れるのか知りたい方は以下の記事も参考にしてみてください。
複数業者から相見積もりをとる
片付け費用は、間取りや物量、作業条件によって大きく変動するため、1社だけの見積もりではその価格が適正かどうかの判断ができません。
目安として3社以上の業者から相見積もりをとることをおすすめします。
複数の見積もりを比較することで、法外な高額請求をする悪質業者かどうかがわかります。
単に料金の安さだけでなく、見積もりの内訳やサービス内容、業者の対応の丁寧さなどを比較することで、トラブルも防げます。
繁忙期を避けて依頼する
繁忙期には人件費や車両の手配が難しくなるため、通常よりも料金を割高に設定する傾向があります。
主に以下の時期は依頼が集中し、料金が高くなりがちです。
■片付け業者の繁忙期
- 引越しシーズン(3月~4月上旬)
- 年末年始(12月~1月上旬)
- 長期休暇・連休
費用を抑えたい場合は、需要が落ち着く5月~6月や9月~11月の平日などの閑散期が狙い目です。
この時期は業者のスケジュールにも余裕があるため、価格交渉に応じてもらいやすくなります。
自治体の補助金を活用する
遺品整理や不用品回収そのものへの直接的な補助は少ないですが、「空き家対策」の文脈で補助金が活用できる場合があります。
ただし、補助金のほとんどは事前申請が必須です。
必ず作業前に補助金の使い方や、締切日など利用条件を踏まえて使える補助金がないかチェックしてみてください。
実家の片付けは費用と労力のバランスが重要!
実家の片付けは、費用だけでなく負担のバランスを考えて業者に依頼するのか自分でするのかを判断してください。
以下の方は迷わずに業者に依頼することをおすすめします。
- 遠方に住んでいる方
- 体力に自信がない方
- 故人への気持ちの整理がついていない方
- ゴミ屋敷の家を片付けないといけない方
業者への依頼や補助金の活用など、利用できる手段を組み合わせて、最も効率的かつ負担の少ない方法を選びましょう。
業者に頼むと費用がかかるからといって悩んでいる方は、ぜひ「不用品なんでも回収団」にもご相談ください。
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実家の片付け費用の相場はいくらですか?
業者に依頼する場合は、間取りや物量によって異なりますが、ワンルームで3~8万円前後、2LDKで10~20万円程度が目安です。
自分で行う場合でも、処分費や交通費などで数万円かかることがあります。 -
実家の片付け費用は誰が支払うのが一般的ですか?
実家の所有者が存命であれば、基本的には本人負担です。
遺品整理の場合は、相続人(子どもなど)が支払うケースが多いです。
費用負担についてトラブルを防ぐため、事前に家族で話し合っておくことが大切です。 -
実家の片付けを安く済ませるコツはありますか?
不用品の買取を活用することと、複数業者の相見積もりを取ることが大切です。
また、3〜4月や年末などの繁忙期を避ければ、料金が下がる場合もあります。
地域によっては補助金制度が使えることもあるため、自治体サイトも確認しましょう。 -
不用品回収業者と遺品整理業者はどう違うのですか?
不用品回収業者は家具や家電などの処分をスピーディーに行うのが得意です。
一方、遺品整理業者は故人の遺品を丁寧に仕分け・供養まで行うのが特徴です。
最近では、不用品回収業者でも遺品整理プランを設けている業者もあります。 -
実家の片付けに使える補助金はどんなものがありますか?
多くの自治体では、「空き家対策や解体支援」の一環として補助金を設けています。
例として、福岡県うきは市では老朽危険家屋の除却費用を上限50万円まで補助、岐阜県恵那市では空き家バンク登録物件の改修費を上限150万円まで助成しています。
内容は自治体によって異なるため、最新情報は公式サイトで確認しましょう。