この記事では、リポバッテリーの処分方法についてまとめています。
パソコンやスマートフォンなど充電式の電子機器で広く採用されているリポバッテリーですが、精密機器であるためその処分には気を付けなければなりません。
一般ゴミとしては捨てられないため、安全のためにも正しい処分方法を把握しておきましょう。
主な処分方法や注意点を紹介するため、処分を検討中の方は参考にしてください。
リポバッテリーの処分方法3選
パソコンやスマートフォンなど、最近の電子機器の多くに採用されているリポバッテリー(リチウムイオンポリマーバッテリー)の処分方法を紹介します。
不要な端末自体はそのまま放置でもよいですが、中に入っているリポバッテリーは長年放置しているとリスクもあるため、二度と使わないであろう端末のリポバッテリーは取り外して処分することをおすすめします。
以下を参考に、自身に合う方法で処分を検討してください。
不用品回収業者に依頼する
リポバッテリーは自身でゴミとして処分する場合手間がかかるため、どんな不用品もそのままの状態で回収してもらえる不用品回収業者に依頼するのがおすすめです。
リポバッテリーは単品で処分してもらうのもよいですが、小さいため他の不用品とまとめて処分できる定額プランを提供する業者への依頼が効率的です。
引越しや大掃除で不用品回収業者に依頼する場合に、まとめてリポバッテリーも処分してもらうことをおすすめします。
後悔のない取引にするためにも、相場に見合う適切な料金でサービスを提供している優良業者を選びましょう。
店舗設置の回収ボックスに入れる
家電量販店の多くは、電子機器で使われるバッテリーのリサイクル回収を実施しています。
このリサイクル回収は、リポバッテリーなどの小型充電式電池リサイクル活動を推進する一般社団法人JRBCの協力店舗が対象になります。
該当の大手家電量販店やホームセンターには不要になったバッテリーを入れられる回収ボックスが設置されているため、店舗に持ち込んで処分してもらいましょう。
近場に対象店舗がある方は、買い物のついでに手軽に処分できるためおすすめの方法です。
自治体のゴミ回収に出す
リポバッテリーは自治体のゴミ回収に出すことも可能です。
種別としては原則不燃ゴミに該当しますが、各自治体によって細かなルールは異なるため事前に調べてから処分しましょう。
ただし、リポバッテリーをゴミ回収で処分する場合は放電という作業が必要になります。
放電とはバッテリーに貯まっている電気を放出することで、これを行わずにゴミとして処分してしまうと発火の危険性があり、ゴミ収集車での運搬時やリサイクル工場での火災事故にもつながります。
自治体のゴミ回収は方法としては手軽ですが、必ず放電を行ってから処分しなければなりません。
リポバッテリーを自身で処分する際の放電方法
リポバッテリーを自治体のゴミ回収に出す場合の放電方法を紹介します。
完全に放電できていないリポバッテリーをそのままゴミとして出すと、発火や爆発などさまざまなリスクがあります。
処理してくれる人々の安全のためにも、無害な状態にしてから処分するようにしてください。
リポバッテリーの放電は以下の道具を用いて可能です。
- 水
- 塩
- リポバッテリーが入る大きさの容器
- テスター(回路計)
容器に水やリポバッテリーを入れて作業するため、放電しても溶けることがない絶縁体の容器を用意してください。
ポリバケツや洗面器などが容器としておすすめです。
以下の手順を参考に、落ち着いて放電作業を実施してください。
手順1:一定濃度の塩水に漬ける
まずは、用意した容器の中で塩水を作ります。
リポバッテリーが浸かる程度の水を容器に入れたら、水の量に対して3%〜5%の濃度になるよう塩を入れます。
塩の量は多すぎても少なくすぎてもいけないため、この分量を守って塩水を作成してください。
作った塩水の中にリポバッテリーに浸けることで放電が始まります。
この時、リポバッテリーのケーブルを切断してから塩水に浸けることで放電効率も高まります。
手順2:リポバッテリーから泡が出なくなるまで放置
リポバッテリーを浸けると少しずつ泡が出ることが確認できますが、この泡が出なくなると放電は完了です。
泡が出なくなる時間の目安は小型のリポバッテリーで3日程度、大型や膨張しているものは1週間程度かかります。
いずれも時間はかかりますが、安全に捨てるためには必要な工程なのでしばらく放置しておきましょう。
水に浸かりきっていない場合は完全に放電されない恐れもあるため、水の量を増やしたり容器を変えるなどして完全に浸けるようにしてください。
手順3:電圧を確認して0Vであることを確認
泡が出なくなったら放電完了の合図ですが、念のためテスターを持っている場合は電圧を測ります。
電圧が0Vになっていることがテスターで確認できれば、不燃ゴミとして処分可能です。
ただし不燃ゴミとして処分できるかどうかは各自治体のルールにもよるため、放電作業を行う前に必ず確認しておきましょう。
不燃ゴミとして処分する場合は、リポバッテリーの電極端子やコネクターの露出部分に絶縁用テープを巻いておくと安心です。
放電作業時の注意点
リポバッテリーは精密機器であるため、取り扱いには十分な注意が必要です。
放電作業を行う場合は、以下の点に気をつけて実施してください。
換気できる場所で作業する
放電作業時は、必ず換気できる場所で作業を行いましょう。
リポバッテリーは塩水に浸けることで放電されますが、この時に塩素ガスが発生する場合があります。
塩素ガスは低濃度であっても吸い込むことで鼻やのどを痛める、人体へ悪影響があるものです。
吸い込みすぎると肺水腫などの重い症状を発症する危険性もあるため、風通しがよい場所で作業してください。
この時水素ガスも同時に発生しますが、こちらも引火すると爆発の危険性があります。
火の気をなるべく避けて開けた場所で作業することを徹底しましょう。
使用した塩水はそのまま捨てない
リポバッテリーを浸けた塩水、いわゆる廃液はそのまま流すのではなく、新聞紙やキッチンペーパーを使って染み込ませてから処分しましょう。
塩素ガスや水素ガスは発生しますが、塩水自体に有毒物質が溶け出すことは基本的にありません。
しかし精密機器の放電に使用した液体ではあるため、マナー的にもそのまま排水溝や庭に流さないことをおすすめします。
放電作業をまとめて行わない
不要なリポバッテリーをまとめて処分したいからと、1つの容器で一気に放電するのはNGです。
前述した通り、リポバッテリーは塩水に浸けることで塩素ガス・水素ガスが発生します。
数が増えると一度に発生するガスも強まるため、人体への悪影響や引火のリスクは余計に高まります。
容器を別で用意するか、手間を省きたい方は不用品回収業者に依頼してそのまま引き取ってもらうのがおすすめです。
リポバッテリーの処分タイミング
リポバッテリーは機器にセットして使用するため、機器の電源が入らないなどの明らかな問題がなければ処分タイミングも見極めづらいです。
それ以外でも処分すべきタイミングはいくつかあるため、以下の状況になれば処分を検討してください。
膨らんでいる
リポバッテリーは長期間利用すると劣化していきますが、劣化の症状として特に分かりやすいのがバッテリー本体の膨らみです。
リポバッテリーは劣化によって内部にガスが溜まり、それによって徐々に膨れ上がってきます。
膨らみはちょっとしたレベルでは収まらず、気がつくと機器の蓋も閉められないほどに膨れ上がるものもあります。
膨らんだリポバッテリーはパフォーマンスが低下しているだけでなく、熱がこもりやすくなっており破裂や発火のリスクも高まります。
機器の故障につながることはもちろん、身の安全も保証できないため、膨らんできたと感じたら早めに処分を検討しましょう。
リポバッテリーから異臭がする
リポバッテリーから異臭がする場合、破損によって内部の電解液が漏れ出している可能性が高いです。
この電解液はアンモニアのような刺激臭ではなく甘い匂いがします。
電解液が漏れたまま機器を利用しているとショートや異常な発熱だけでなく、破裂による怪我のリスクも高まります。
異臭がしたら電解液が漏れた合図のため、すぐに使用を中止して機器から取り外して処分に進みましょう。
充電の減りが早いと感じる
リポバッテリーが劣化すると、内部に蓄える電気の量も徐々に減少していきます。
そうなると充電を満タンにしても減りが早く感じたり、バッテリーの劣化によって機器本体のパフォーマンス低下につながります。
ちょっとした違和感程度であればまだ使い続けられますが、明らかに減りが早いと分かる場合は交換することをおすすめします。
その際、不要になったリポバッテリーは放置しておくと膨張の危険性もあるため早めに処分しましょう。
リポバッテリーの処分は「不用品なんでも回収団」が引き受けます
処分に困るリポバッテリーは「不用品なんでも回収団」が引き受けます。
不用品回収の専門家として、そのまま捨てるのが困難なリポバッテリーのような不用品もそのまま回収可能です。
単品での回収はもちろん、大量の不用品処分ができる定額プランまで状況に応じて柔軟なサービスを提供しています。
引越し時の大掛かりな片付け時はもちろん、ちょっとした大掃除で出たゴミを処分したい場合にもおまかせください。
見積もりや出張費用は無料、早朝深夜の回収も対応可能なため、お気軽にご連絡をお待ちしています。