この記事では、膨張したリチウムイオン電池の処分方法や原因についてまとめています。搭載されている機器の蓋を開けてみると、電池が少し膨らんでいた経験がある方もいるのではないでしょうか。
程度によっては機器を使い続けることが可能ですが、膨張をそのまま放置しているとさまざまなリスクがあるため、早急に処分するのがおすすめです。安全にリチウムイオン電池を処分したい方は、この記事を参考に処分を進めてください。
膨張したリチウムイオン電池の安全な処分方法
リチウムイオン電池が膨張している場合の安全な処分方法を紹介します。膨らんでいるリチウムイオン電池は、身の安全を守るためにも細心の注意を払って取り扱わなければなりません。
そのまま持ち続けていてもリスクがあるため、以下の手順に沿って処分を進めてください。
まずは絶縁処理をする
膨張の有無にかかわらず、リチウムイオン電池の処分時に必要な作業が絶縁処理です。電力端子が露出した状態でリチウムイオン電池を破棄してしまうと、内部に残った電気がショートして周囲の物に引火する恐れがあります。
そのため露出している+端子、−端子をセロハンテープで覆うことで、電気が流れないように絶縁処理を施します。端子部分にテープを巻くだけで簡単に絶縁できるため、処分を決めたらまず実施しましょう。
頑丈な容器や缶に入れて保存する
膨張したリチウムイオン電池は、外部の衝撃によって破裂する恐れもあります。周囲の人が怪我したり、爆発による発火で火災のリスクがあるため、実際に処分するまでは頑丈な容器や缶などに入れて安全に保管しておきましょう。
この時高温の場所では保管せず、直射日光を避けて10~25℃目安の場所に置くことを心がけてください。
引き取り可能な場所に持ち込む
リチウムイオン電池のような小型充電式電池に分類される品目は、安全性の観点から原則自治体のゴミ回収では処分してもらえません。そのため、自身の手で引き取り可能な場所にリチウムイオン電池を持ち込む必要があります。
リチウムイオン電池を引き取ってもらえる主な場所は以下の通りです。
- 家電量販店
- 公共施設やカメラ店などにある回収ボックス
家電量販店では安全のためカウンターにて直接渡す形式もあれば、回収ボックスに入れる形式もあります。ヤマダ電機やケーズデンキといった大手家電量販店であれば、持ち込めば必ず処分できる場所はあるためスタッフに確認してみましょう。
ただし、膨張の程度によっては家電量販店や回収ボックスでの処分が不可な場合もあります。少しでも膨らんでいるものは引き取ってもらえるか要確認で、回収ボックスにも勝手に入れないよう注意してください。
引き取ってもらえないものは不用品回収業者へ依頼する
引き取ってもらえないほど膨張してるリチウムイオン電池の処分は、不用品回収業者であれば対応可能です。リチウムイオン電池をはじめ、産業廃棄物に指定された扱いに困る品目の回収にも対応しているため、こうした不用品を抱えている場合はまとめて依頼することをおすすめします。業者によっては定額で一定量の不用品を回収してくれるパックプランを提供しており、費用を抑えてお得に依頼できます。
不用品回収業者に依頼する場合、相場に見合う費用でサービスを提供している優良業者を探しましょう。中には法外な料金を請求する悪徳業者もおり、ぼったくられて後悔する結果になってしまいます。
優良業者の特徴やおすすめ業者を以下の記事にまとめているため、記事を参考に悪徳業者に引っかからないよう気をつけてください。
膨張したリチウムイオン電池を放置するとどうなる?
膨らんだリチウムイオン電池を早急に処分すべきとされているのは、放置により大きなリスクがあるからです。特に以下2つは自身の生活にも大きな支障が出かねない問題のため、注意して取り扱ってください。
機器が故障する
リチウムイオン電池が膨張すると、製品のバッテリー部分の蓋が閉まらなくなり機器の故障につながります。無理に蓋を閉めて使い続けようとすれば破損の危険性もあり、蓋が十分に閉まらない状態では正しい位置にバッテリーが収まらなくなり、正常に機器が動作しない場合もあります。
また、スマートフォンなど液晶が搭載されているものは、膨張したバッテリーが背面から押し上げてきて画面を損傷させる恐れもあるため注意が必要です。機器を壊さず安全に利用するためにも、膨らんで変形したリチウムイオン電池は使わない方がよいでしょう。
発火・爆発する
膨張によって内部の部品が破損すると、リチウムイオン電池から発火したり爆発の恐れがあります。電池を搭載した本体は故障、また自身を含め周囲の人が怪我をするため大変危険です。
機器の利用中はもちろん、過度に膨張した電池は放置時にも発火・爆発の恐れがあるため気をつけなければなりません。
リチウムイオン電池の膨張時は自分でガス抜きしてもよい?
膨らんだ箇所に細い針などで穴を開ければガス抜きは実施できますが、リチウムイオン電池の場合はこのガス抜きを自身で行うのはおすすめしません。内部のガスを取り除けば膨らみ自体は解消されますが、内部の電極に針が触れて傷がつくと故障につながり、処置を誤ると発火・爆発の恐れもあります。
また、ガスが漏れ出すため火元のそばでやると大変危険です。ガス抜きしたリチウムイオン電池は再び使用するのも危険なため、自身で無理にガス抜きは実施せず、膨らんだ状態で適切に処分してください。
リチウムイオン電池が膨張する原因
リチウムイオン電池が膨らむのは内部でのガス発生によるものですが、そもそもガスが発生する原因は何なのでしょうか。考えられる原因としては以下の3つが挙げられるため、リチウムイオン電池搭載の製品を所持している方は覚えておきましょう。
経年劣化
リチウムイオン電池は、経年劣化によって内部で化学反応が起こることでガスが発生します。一般的なリチウムイオン電池の場合、このガスの逃げ場がないため内部に蓄積され続けて、結果的に電池が膨らむことになるのです。
大型のリチウムイオン電池には、ガスによる破裂を防ぐためのガス抜き弁が搭載されているものもありますが、ガス抜き弁が作動するほどガスが溜まっていた電池は引き続きの利用が困難です。
過充電
過充電とは、満充電の状態を超えてもさらに充電を続ける状態のことを指します。過充電は電池内部の状態を不安定にさせやすく、ガス発生の原因にもつながります。
何度も過充電を繰り返していると、本来の寿命よりも早い段階で電池に膨張が見られるため、過充電を行わずに利用する習慣を身につけて予防しなければなりません。
外部からの衝撃
圧迫する、高所から落とすなど外部から衝撃を加えることでガスが発生して膨張するケースもあります。衝撃により電池内部でショートが起きる危険性もあり、内部の温度が急上昇すると発火・爆発も起こるため大変危険です。
新しいリチウムイオン電池であっても、外部からの衝撃次第であっという間に膨張・故障につながるため、丁寧に取り扱いましょう。
実は膨張しているかも?確認すべき身近な製品
私たちの身近にはリチウムイオン電池の搭載された製品が数多く存在しています。普段当たり前に利用している製品も、気づかないうちに電池が膨張または破損しているかもしれません。
身の安全のためにも、定期的に電池の状態確認をおすすめします。特に使用頻度が多い以下の製品は、優先的に電池の状態を確認してみましょう。
モバイルバッテリー
電子機器の充電に重宝するモバイルバッテリーは、内部にリチウムイオン電池が搭載されています。人によっては毎日のように使用して充放電が繰り返されるため、劣化するスピードも速いです。
ただし、モバイルバッテリーのほとんどはリチウムイオン電池そのものを直接確認できない構造となっているものが多いため、購入時に比べて本体の見た目が変形していないかをチェックしてみましょう。
スマートフォン
スマートフォンも充放電を頻繁に繰り返すため、経年劣化で電池が膨らむスピードも速いです。バッテリーを取り出せるタイプの機種については、定期的に蓋を開けて電池の膨らみを確認してみましょう。
ノートパソコン
ノートパソコンにもバッテリーにリチウムイオン電池が内蔵されています。こちらも蓋を開けてバッテリー本体を確認できる機種があるため、膨らんでいないかを確認してみましょう。
携帯ゲーム機
携帯ゲーム機にはバッテリーが内蔵されており、リチウムイオン電池が採用されているケースがほとんどです。こちらもスマートフォンやノートパソコンと同様、蓋を開けるとバッテリーを確認できる仕様の製品があるため、直接状態を確認してみましょう。
バッテリーを取り出せないものは、本体が電池の膨らみによって変形していないかを常に気に留めておいてください。
膨張したリチウムイオン電池は「不用品なんでも回収団」で処分!
さまざまな要因で膨らんだ危険なリチウムイオン電池は「不用品なんでも回収団」が回収します。自治体の一般ゴミとして手軽に処分できないような不用品も引き取り可能で、熟練のスタッフがご自宅まで迅速に回収へと伺います。
エリアによっては最短25分で駆けつけ可能、即日対応もできるため急ぎの依頼もおまかせください。引越しシーズンなどまとまった不用品がある場合にも、定額でまとめて処分できるパックプランをお得な価格で提供中です。
不用品に関するお困りごとについては、お気軽にご相談をお待ちしています。