この記事では、遺品整理と生前整理についてそれぞれまとめています。故人の所有品や住まいを片付ける遺品整理ですが、最近では終活の一環として生前に自身の財産をまとめる「生前整理」を進める方も多いです。
遺品整理と生前整理は具体的にどのような違いがあるのか、それぞれのメリットやデメリットも踏まえて紹介します。進め方や注意点も解説するため、これから遺品整理・生前整理を進める予定の方は参考にしてください。
遺品整理と生前整理の違いとは？
故人の所有物を片付ける行為を「遺品整理」、自身が生きている内に所有物を片付けておくことを「生前整理」と呼びます。自分のことは自分が元気な間に片付けておきたい、相続の段階でトラブルが起きてほしくないといった理由で、近年は生前整理を進める人も増加しています。
どちらも対象人物の所有物や契約しているサービスの解約等を実施する点は同じですが、その行為を本人主導のもと実施するかどうかに大きな違いがあります。生前整理、そして遺品整理それぞれのメリット・デメリットを以下で紹介します。
生前整理のメリット
生前整理の実施には、以下のメリットが挙げられます。
- 相続時のトラブルを防止する
- 遺品整理時の遺族の負担を軽減できる
- 自身の人生を振り返るよい機会になる
所有している財産は親族や相続人が相続することになりますが、生前整理を済ませておけば自身がどんな財産を所有しているか改めて把握できます。生前整理の時点で遺書も時間をかけて作成できるため、どの財産を誰に相続させるかを明確にでき、相続時のトラブルを回避できるのです。
遺族に所有品の仕分けや不用品処分を任せなくてよい点もメリットといえるでしょう。何より、生前整理は終活の一環として自分の人生を振り返るよい機会になります。
生前整理のデメリット
生前整理のデメリットとしては、以下の項目が挙げられます。
- 作業に時間がかかる
- 不用品の処分が面倒で費用もかかる
自身の所有物を改めて整理するとなると、屋内のあらゆる箇所をチェックしなければならず、作業には膨大な時間がかかります。毎日時間を決めて少しずつ取り組んだとしてもそれなりの期間はかかるため、余裕を持って進めなければなりません。
また、生前整理で出てきた大量の不用品を処分するのは面倒で、品目によっては費用がかかるケースもあります。このような手間は、生前整理における大きなデメリットともいえるでしょう。
遺品整理のメリット
遺品整理を実施する場合は、以下のメリットが挙げられます。
- 故人との思い出を振り返り心の整理をつけられる
- 業者依頼時は特殊清掃も任せられる
遺品整理は残された遺族にとって、心の整理をつける大切な作業です。業者への依頼時は、家屋の特殊清掃も任せて綺麗な環境を取り戻してもらえるのがメリットといえます。
遺品整理のデメリット
遺品整理のデメリットとしては、以下の項目が挙げられます。
- 取り決めのない財産については相続トラブルの恐れがある
- 作業にともない遺族の負担が増える
- 遺族に精神的な負担を強いてしまう
自身からすれば遺族に遺品整理を進めてもらえるのは労力的にも助かりますが、遺言状を残していなかったり、取り決めされていない財産がある場合は相続トラブルが起こる可能性もあります。また、遺品が大量にある場合や家が荒れている場合などは遺族の作業も増えてしまい、精神的な負担をより与えてしまうリスクがある点は注意しておきましょう。
遺族に負担をかけないためにも生前整理はおすすめ
生前整理は自身の終活の一環として人生を振り返るため重要ですが、何より遺族に負担をかけないためにも実施することをおすすめします。遺族の精神的負担を軽減する、相続トラブルを未然に防ぐことができるかは、どれだけ生前整理を効率よく進められたかによります。
大切な財産がある場合や家に大量の不用品が溢れかえっている場合には、ゆっくりと時間をかけてでも生前整理を進めていきましょう。
生前整理の流れ
生前整理はどのように進めていくか、大まかな流れを紹介します。いざ身の回りの物から整理に取り掛かろうと思っても所有物が多い、また家が大きいほど何から手をつけるべきか迷いがちです。
自分の人生を振り返るための作業でもあるため時間はかかりますが、スムーズに進めるために以下の手順を心がけてみてください。
所有品の仕分け
まずは、自身の所有品を必要・不要に仕分けます。生前整理の場合、必要・不要の基準は「自身にとって非常に大切な物、遺族に相続させたい物であるかどうか」を基準に仕分けていきましょう。
消耗品まですべて仕分ける必要はありませんが、衣服や家具など残り続ける品目については仕分けの対象です。形見として受け取って欲しい物、思い出の品だから手放すには惜しいと感じる物など、所有品すべて仕分けてください。
所有財産の把握と目録の作成
仕分けが完了したら、手元に残すと決めた財産を一通り把握して財産目録を作成します。資産や保険に関する情報なども目録にまとめて可視化しておけば、以降の遺品整理や相続手続き、契約解除手続きなどがスムーズに進められて遺族の負担は軽減されます。
生前整理の結果をまとめる意味でも重要な役割を持つため、面倒に感じても目録は作成しておきましょう。
遺言書の作成
財産目録を作成できたら、相続に関して記した遺言書を作成しましょう。遺言書は法的な効力を持つため、財産相続に関して細かく記されていれば遺族たちはスムーズに遺産分割協議を進められます。
相続トラブルは遺言書の存在ひとつで回避できる可能性が高まるため、残される遺族たちのためにも財産相続について熟慮の上で作成しておきましょう。
不用品の処分
不要に仕分けた品目を処分します。衣服や雑貨など軽い品目であれば気軽に処分できますが、家具などの大きなサイズの品目は処分も難しいため、誰かに処分を手伝ってもらわなければなりません。
運搬にかかる時間や労力、処分にかかる費用を考えた場合、不要品回収業者に依頼する方がお得なケースもあります。単品はもちろん、大量の不用品をまとめて処分できるパックプランを提供する業者も多いため、相場に見合う料金で処分してくれる業者を探しましょう。
業者選びが不安な方は、以下の記事を参考に優良業者を探してください。
遺品整理の進め方
遺品整理の進め方もあわせて紹介します。生前整理を事前に進めた後でも、遺族はある程度の遺品整理を行う必要は出てくるため、あくまで参考として以下の手順を確認してください。
遺言書の確認
故人が遺言書を残している場合は、まず遺言書を確認しましょう。財産の取り扱いや相続について明記されていれば、法的効力もあるため遺言書に基づいて遺産分割協議を進めていきます。
遺品の仕分け
残された遺品の仕分けを遺族たちで実施します。故人が生前整理を済ませていれば作業も多くはありませんが、家に残された品目がある場合は仕分けの上で処分するか、誰かが所有するかをこの段階で決定します。
判断が難しい物については話し合いになりますが、トラブルにならないようなるべく穏便に進められるのがベストです。
不用品の処分
仕分けて不要と判断した物を処分します。生前整理と同じく、サイズの大きい物や大量の物を処分する場合には業者に依頼する方がよいケースもあるため、候補の業者を選んだら見積もりを作成してもらい費用感を確認してみましょう。
生前に遺品整理を実施する際の注意点
遺品整理を自分の手で生前に実施すると決めたら、以下の点に注意して作業を進めましょう。
デジタル遺品の取り扱いを決める
パソコンやスマートフォンなど、内部にデータとしてたくさんの情報が残っている物、いわゆるデジタル遺品の取り扱いについて明確に決めておきましょう。遺族にデジタル遺品の始末をお願いする場合、IDやパスワードが分からなければロックを解除できず、月契約しているサービス等の解約も簡単に実施できません。
デジタル遺品のIDやパスワードをメモして遺族が確認できるようにしておく、もしくは事前にサービスやデータを解約・削除しておき、デジタル遺品をそのまま処分しても問題ない体制を整えておくことをおすすめします。
相続に関する内容を遺言書に残す
所有品を整理する際、財産となる物をどのように相続させるかを遺言書に残しておきましょう。遺品整理の場においては、この財産相続が親族や相続人の間で大きなトラブルの元となります。
スムーズに相続を進められるよう、生前整理で手元に残した財産の取り扱いは明確に決めることが大切です。
業者依頼時は優良業者を選択する
生前整理時は不用品の処分も行いますが、量が多かったり自身で片付けられない大きな物がある場合は業者に依頼する必要も出てきます。遺品整理専門業者から不要品回収業者まで、遺品整理サービスを提供する業者は数多く存在しますが、中には法外な料金を請求する悪徳業者も潜んでいます。
後悔する依頼とならないよう、相場に見合う適切な料金で質の高いサービスを提供する優良業者を探してください。遺品整理に関して口コミ・評判のよい業者は以下の記事でも紹介しています。
遺品整理・生前整理は「不用品なんでも回収団」におまかせ！
遺品整理を自身で生前に進める場合は「不用品なんでも回収団」におまかせください。不用品回収のプロとして、遺品整理で出たあらゆる不用品をまとめて回収可能です。
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