この記事では。使わなくなった携帯電話(ガラケー)を処分する方法を解説します。
また、データの消去方法から消去できなかったときの対処法、押さえておくべきポイントまで網羅的に解説。
携帯電話は安易にゴミとして捨ててしまうと、個人情報が流出するリスクや、火災の原因になります。
スマホとガラケーでの処分時の違いも分かりますので、携帯電話やガラケーを安全かつ適切に処分のためにも、参考にしてください。
携帯電話は小型家電リサイクル対象品目
携帯電話やスマートフォンは2013年に施行された小型家電リサイクル法により、リサイクル対象品目に指定されています。
小型家電リサイクル法とは金、銀、銅、レアメタルなどの有用金属を回収して、資源を有効に活用するための法律です。
各自治体では、公共施設や家電量販店などに設置された専用の回収ボックスで、使用済み携帯電話を回収しています。
回収された携帯電話は認定事業者によって適切にリサイクル処理が行われ、貴重な資源として再利用されるのです。
携帯電話(ガラケー)の処分・リサイクル方法
リサイクル対象となっている携帯電話やガラケーは、適切な手段でリサイクルする必要があります。
以下は、それぞれの処分方法にかかる費用や特徴をまとめたものです。
方法 | 費用 | 特徴 | 手間 |
---|---|---|---|
キャリアショップ | 無料 | データ消去対応あり | 持ち込み必要 |
自治体回収BOX | 無料 | 手軽だがデータは自分で消去 | 持ち込み必要 |
家電量販店 | 無料〜数百円 | 店舗や宅配で回収可 | 宅配は梱包が必要 |
宅配回収(リネットジャパン) | 1,500円〜 | 自宅から送れる、PCと同梱で無料も可 | 箱詰めが必要 |
不用品回収業者 | 数千円〜 | まとめて処分できる | 電話一本で回収可 |
それぞれメリットやデメリットがありますので、状況にあわせて選択しましょう。
携帯キャリアショップで無料回収してもらう
古い携帯電話やガラケーは、携帯キャリアのショップで無料回収してもらうのが最も手軽な処分方法です。
ドコモ、au、ソフトバンクの三大キャリアは、「モバイル・リサイクル・ネットワーク」というリサイクルシステムに参加しており、携帯電話やスマートフォンのリサイクル回収を実施しています。
自社製品だけでなく他社製品も含めて新旧機種とわず回収を行っているので安心。
回収された端末は分解・破砕され、金や銀、銅、レアメタルなどの資源がリサイクルされます。
キャリアショップではかわりに携帯電話のデーターを消去してもらえるのが大きなメリットです。
いずれのキャリアでも確実にデータを消去したうえで、適切にリサイクルを行ってくれるため、安心して処分を任せられます。
自力でデータ消去がむずかしい場合には、キャリアへの持ち込みがおすすめです。
持ち込む際は、電池パックを取り付けた状態のままか、外した状態で一緒に持ち込むようにしましょう。
自治体の小型家電リサイクル回収BOXを利用する
古い携帯電話やガラケーは、自治体の小型家電リサイクル回収に出すことができます。
小型家電リサイクル回収BOXの利用は無料です。
自治体の公共施設や回収拠点などに用意された小型家電回収ボックスに投函するだけで、手軽にリサイクルに出せます。
ただし、回収ボックスは不特定多数の人が利用するため、個人情報漏洩のリスクを避けることが重要です。
小型家電リサイクル回収BOXを利用する際は、必ず事前に携帯電話内のデータを削除しておきましょう。
家電量販店で回収してもらう
家電量販店でも携帯電話の回収を行っています。
店舗まで直接持っていけば、無料で回収してもらえます。
そのほかにも家電量販店で実施している、宅配回収による小型家電回収サービスを利用することも可能です。
ただし宅配回収の場合は、1,500円~2,500円ほどのサービス利用料がかかります。
またデータ消去なども自分で行う必要があるため注意が必要です。
以下の記事では、ヤマダ電機やケーズデンキの回収品目や回収条件を確認できます。
リネットジャパンに回収してもらう
リネットジャパンは環境省認定の回収業者で、携帯電話やガラケーを無料で回収・リサイクルしてくれます。
リネットジャパンも大手キャリアと同様、メーカーやキャリアを問わず回収してくれるのが特徴です。
利用には1,760円~の手数料が必要ですが、パソコンと一緒につめれば送料も無料になります。
1台3,498円の費用はかかりますが、バッテリを取り外した上で業務用専用機で粉砕する「おまかせ安全データ消去サービス」の利用も可能。
データ消去サービスを利用しない場合は、自身でデータを消去したうえで発送する必要があります。
不用品回収業者に依頼する
不用品回収業者各社では、有料で携帯電話を含む小型家電回収とリサイクルを行っています。
携帯電話以外にもさまざまな不用品があるときなどは、携帯電話もまとめて依頼してOKです。
不用品回収業者ではデータの消去サービスを行っている業者も。
不用品回収業者は電話やネットから連絡すると、すぐにでも自宅まで不用品を引き取りに来てくれます。
複数の不用品がある場合や処分先などへ持ち込むのが手間に感じるときなどは、最も手軽に依頼できる処分方法でしょう。
家電や家具もまとめて処分できるおすすめの不用品回収業者はこちら!
携帯電話を処分する前の準備
こちらでは、携帯電話を処分する前の準備について解説します。
連絡先、写真、動画など、残しておきたいデータや引き継ぎたい情報は、バックアップを取っておきましょう。
クラウドサービスやパソコンに保存しておけば、機種変更後もデータを活用できます。
SIMカードやSDカードを取り外す
携帯電話には、電話番号や契約者情報が登録されたSIMカードと、写真や動画などのデータが保存されたSDカードが挿入されています。
SIMカードには、契約者情報が、SDカードには写真や動画、連絡先などの情報が入っています。
SIMカードとSDカードには、本体を初期化してもデータが残ってしまう可能性があるため、必ず処分前に取り外してください。
取り外したカードはハサミで切断するなどして物理的に破壊することで簡単にデータを消去できます。
データを初期化して消去する
バックアップが完了したら、携帯電話の「設定」メニューから工場出荷時の状態に戻すファクトリーリセットを実行します。
この操作により、連絡先、写真、アプリ、パスワードなどの端末に保存されている全てのデータが完全に消去されます。
データを削除するだけでは、手間がかかる上に特殊な復元ソフトを使用すればデータが復元される可能性があります。
初期化はデータを完全に上書きして消去するため、より安全です。
携帯電話(ガラケー)のデータ消去方法
こちらでは、携帯電話(ガラケー)のデータ消去方法を順を追って解説します。
データの消去方法は、メーカーによって異なりますが、以下の手順でデータを消去するのが一般的です。
- 「本体設定」や「セキュリティ」項目を選択する
- 「データ初期化」「リセット」などを選択する
- 暗証番号を入力する
- SIMカードとSDカードを取り外す
暗証番号を忘れてしまった場合や、うまくいかない場合には、「データ消去ができないガラケーの対処法」も参考にしてください。
「本体設定」や「セキュリティ」項目を選択する
まず、本体の「MENU」ボタンを押してメニュー画面を表示させます。
次に、「本体設定」や「セキュリティ」、「その他」といった項目を探して選択します。
キャリアや機種によって名称が異なるため、画面をよく確認しましょう。
「データ初期化」「リセット」などを選択する
メーカーによって名称が異なりますが、「本体設定」や「セキュリティ」項目の中に、以下のようなメニューがあります。
- データ初期化
- リセット
- オールリセット
- データ一括削除
こういった項目を選択すると、初期化の最終確認画面が表示されます。
暗証番号を入力する
「初期化」「リセット」といったメニューを実行しようとすると、暗証番号の入力を求められます。
この暗証番号は、一般的に4桁の数字で、契約時の初期設定のまま使っている場合が多いです。
キャリアによって初期番号は異なりますが、ドコモは「0000」、auは「1234」、ソフトバンクは「9999」が一般的です。
変更している場合は自身で設定した番号を入力します。
正しい番号を入力すると、確認画面が表示され、最終的に実行することで端末内のデータがすべて消去されます。
データ消去ができないガラケーの対処法
携帯電話の処分で最も注意しなければならないのが、携帯内のデータの取り扱いです。
携帯電話には電話番号や住所、写真などさまざまな個人情報につながるデータが記録されています。
こうしたデータの悪用を防ぐため、携帯電話を処分する際はデータの消去が欠かせません。
しかし中には充電器の紛失などで電源が入らず、初期化やデータの消去がむずかしい場合があります。
なお、メルカリには有料でデータを消去してくれる「あんしんデータ消去」サービスがありますが、ガラケーに分類される携帯電話は、対象外となるため注意が必要です。
ここでは、データ消去ができないガラケーを安心して処分できる方法を紹介します。
スマホキャリアに持ち込んで消去してもらう
ガラケーの電源が入らず自分でデータ消去ができない場合は、docomo・au・ソフトバンクなどのキャリアショップに持ち込むのが確実です。
キャリアを問わず無料で専用機器を使ってデータを物理的に破壊し、個人情報漏洩のリスクを防いでくれます。
docomoでは「ケータイパンチ」という専用工具で、目の前で端末に穴を開けてデータを完全に破壊。
auでは「オールリセット」で工場出荷状態に戻す、ソフトバンクでは通常のリセット作業に加えてケータイパンチで機能破壊してくれるため安心です。
専門のデータ消去サービスを利用する
専門業者は、機器を用いてデータを物理的に破壊したり、磁気で消去したりといった方法で、データの完全消去を行います。
名義がわからない携帯電話や、電源が入らない携帯電話でも問題ありません。
初期化では消しきれないデータまで確実に処理でき、情報漏洩のリスクをゼロに近づけることが可能です。
国の認定を受けた事業者であるリネットジャパンは、データ消去サービスを提供しています。
「おまかせ安全データ消去サービス」を利用すれば、政府機関も採用しているような高度な方法でデータが消去されます。費用は、税込3,498円です。
消去完了後には証明書を発行してくれるため、安心です。データ消去された携帯電話は、適切な方法でリサイクル処分もしてくれます。
自分で物理的に破壊する
携帯から個人情報データが取り出せないよう、本体に穴をあけて物理的に破壊することも可能です。
キャリアで行っている「ケータイパンチ」と同じように、本体の電源ボタン部分に穴を開ければほとんどの機種は起動ができずデータの取り出しもできなくなります。
しかし破壊の際に誤って電池パックなどを傷つけてしまうと、発火の危険もあるなど、危険を伴う行為でもあります。
スマホキャリアに持ち込めば、安全に無料でデータ消去してもらえます。
電源が入らない携帯電話は、小型家電回収ボックスなどに投函せず、ショップへ持ち込むのがベストでしょう。
携帯電話を処分する際の注意点
こちらでは、携帯電話を処分する際の注意点を解説します。
電池パックは外して捨てる
電池パックは小型充電式電池として、小型家電リサイクル法に基づき、適切な方法でリサイクルされることが定められています。
そのため、多くの自治体では、電池パックを本体とは別の方法で回収しています。
電池パックの正しい処分方法は、小型充電式電池の回収ボックスを利用するのが一般的です。
小型充電式電池の回収ボックスは以下の場所に設置されていることが多いです。
- 携帯電話キャリアのショップ
- 家電量販店
- 役所などの自治体施設
本体は、小型家電回収ボックスに投函します。メーカーや機種を問わず、携帯電話本体、充電器などをまとめて無料で回収しています。
本体も電池も家庭ゴミとしては捨てられない
携帯電話本体には、金や銀、銅といった希少な金属が使われています。
希少な金属を資源として再利用することが「小型家電リサイクル法」で定められているため、家庭ゴミでは捨てられません。
また、携帯電話の電池パックに多く使われているリチウムイオン電池は、発火や破裂を引き起こす危険性があります。
ゴミ収集車やクリーンセンターでの、圧縮や、衝撃を受けることで、出火するため、家庭ゴミとしては捨てないようにしてください。
実際に、全国各地で火災事故が発生しており、自治体のゴミ処理の案内でも注意喚起されています。
許可のある不用品回収業者を利用する
携帯電話は、個人情報の塊です。無許可の業者に渡してしまうと、データが適切に消去されず、情報が不正に利用されるリスクがあります。
また、不適切な処理によって火災を引き起こす危険性もあるため、専門の知識を持った業者に任せることが不可欠です。
業者選びの際には、業者や自治体のホームページに行政の許可を受けているかを調べてから依頼するようにしてください。
スマホとガラケーで異なる処分時のポイント
携帯電話とスマートフォン、どちらも小型家電リサイクルの対象品目です。
そのため、基本的な処分方法やルールは同じと考えてOKです。
しかし一部とらえ方が異なる部分もありますので、それぞれの違いについても触れておきましょう。
スマホは買取需要があるが携帯電話は需要が少ない
スマホは比較的新しい機種であれば買取需要が高く、リサイクルショップや携帯買取業者で高値で売却できる可能性があります。
一方、ガラケーは買取需要が低いため、リサイクルショップでは買い取ってもらえません。
またフリマやオークションでも需要な少ない他、取引価格も数百円程度と低いものとなっています。
携帯電話は売却によるメリットはほとんどありませんので、手間や時間をかけずに無料回収で引き取ってもらうのがベストでしょう。
スマホはバッテリーが内蔵されているため破壊は厳禁
スマホとガラケーでは、処分方法に違いがあります。
ガラケーは本体とバッテリーが分離しているため、ドコモやauなどのキャリアショップで物理的に破壊してもらうことができます。
一方、スマホはバッテリーが内蔵されているため、破壊すると発火の危険性があります。
そのため、どんなにデータが流出が心配でも、自分で物理的に破壊する行為はNGです。
スマホの場合はリセット作業などでデータを完全に消去した上で、リサイクル回収に出すのが適切です。
不安な場合はキャリアショップに引き渡し、リサイクルしてもらうようにしましょう。
スマホの詳しい処分方法はこちらの記事を参考にしてください。
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携帯電話(ガラケー)は家庭ゴミとして捨ててもいいですか?
携帯電話は小型家電リサイクル法でリサイクル対象品目に指定されているため、家庭ゴミとして捨てることはできません。ゴミ収集車や処理施設で発火事故を起こす危険性もあるため、キャリアショップや回収ボックスなど正しいルートで処分することが大切です。
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データが消去できないガラケーはどう処分すればいいですか?
電源が入らず自分で初期化できない場合は、キャリアショップに持ち込むのが安全です。専用機器で物理的にデータを破壊してもらえるため、情報漏洩のリスクを避けられます。専門業者のデータ消去サービスを利用する方法もあり、証明書を発行してもらえるため安心です。
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スマホとガラケーでは処分方法に違いがありますか?
本的なリサイクルの流れは同じですが、スマホはバッテリーが内蔵されているため、自分で物理的に破壊するのは危険です。ガラケーは電池パックを外せるためキャリアで物理破壊してもらえますが、スマホはリセットによるデータ消去が必須です。不安な場合はキャリアショップに持ち込みましょう。