この記事では、相続人以外の方が遺品整理を行う際の条件や必要な手続きやトラブルを避けるための重要な注意点について詳しく解説します。
遺品整理は、一般的には相続人が行うものと思われがちですが、相続人以外の方でも一定の条件を満たせば実施することが可能です。しかし、法的な手続きや関係者との連携、プライバシーへの配慮など、注意すべき点も少なくありません。
この記事を読めば、スムーズな遺品整理を進められるはずです。ぜひ参考にしてください。
遺品整理は相続人以外でも実施可能
相続人以外の方でも遺品整理を行うことは可能です。
ただし、法律上、遺品は相続財産となるため、遺品整理は相続人が行うのが原則です。
相続人以外の方が無断で遺品を処分した場合、法的なトラブルに発展する可能性があります。
そのため、相続人全員の同意がある場合や、全員が相続放棄した場合など、トラブルを避けるための対策が必要です。
もし、相続人以外の方が遺品整理を行う必要がある場合は、必ず事前に相続人の方と十分に話し合い、同意を得た上で進めるようにしてください。
不安な場合は、弁護士や司法書士などの専門家に相談することも有効です。
相続人の定義
相続においては、誰が遺産を相続する権利を持つのかが重要です。
相続人を決定する主な方法として、「法定相続」と「指定相続」の2つがあります。
法定相続人とは、亡くなった方の遺産を相続する権利を持つ人のことです。
法定相続人となれるのは、被相続人の配偶者は常に相続人となり、それ以外には以下の順位で血族が相続人となります。
◼︎配偶者以降の相続順位
第1順位:子(またはその代襲相続人である孫、ひ孫)
第2順位:直系尊属(父母、祖父母など。子がいない場合)
第3順位:兄弟姉妹(またはその代襲相続人である甥、姪。子も直系尊属もいない場合)
指定相続人とは、被相続人が遺言によって、法定相続人以外の人を含めて、誰にどの遺産を相続させるかを指定した場合の、その指定された相続人のことです。
被相続人は、法定相続人だけでなく、親族、友人、知人、団体などを相続人に指定できます。
遺品整理を相続人以外の人が行える条件
こちらでは、遺品整理を相続人以外の人が行える条件について解説します。
遺品整理の内容を相続人全員が理解していること
相続人以外の方が遺品整理を行うためには、相続人全員がどのような遺品整理が行われるのかを理解していることも重要です。
後々の認識のずれやトラブルを防ぐために不可欠な要素です。
以下のポイントを押さえておきましょう。
◼︎理解していると言えるポイント
- どの範囲が整理・処分の対象か(家全体、部屋のみ、貴重品は除くなど)
- どのように整理・処分が行われるのか(業者依頼か、個人で行うか)
- 遺品整理業者に依頼する場合は、どの業者がどのような作業を行うのか
- 貴重品や故人の思い出の品がどのように保管されるのか
- 遺品整理にかかる費用の内訳と誰が負担するのか
- いつからいつまで遺品整理が行われる予定なのか
相続人全員の同意を得ていること
よくある、かつトラブルを避けるために重要な条件が、相続人全員からの明確な同意を得ていることです。
同意が得られているのが重要なのは、遺品が法律上、相続財産であり、その処分権は原則として相続人にあるためです。
同意は口頭での同意でも法的には有効ですが、後々の言った言わないの争いを避けるため、書面で同意を得ておくことを強く推奨します。
また、一部の相続人の同意だけでは不十分です。
必ず相続人全員の同意を得る必要があります。意見がまとまらない場合は、弁護士などの専門家に相談することも検討してください。
相続人が遺品整理の費用を負担できること
原則として、遺品整理にかかる費用は、相続人が負担します。
相続人以外の方が立て替えた場合でも、最終的には相続人による費用の負担が原則。
遺産に十分な現金がある場合は、その中から遺品整理費用を支払うことが可能です。遺産がすぐに現金化できない場合や、遺産が少ない場合は、費用を分割して負担することが考えられます。
相続人以外の方が自らの費用で遺品整理を行う場合は、注意が必要です。
なぜ費用を負担するのか、見返りを求めないのかなどについて、相続人との間で明確な意思を伝えておくと安心です。
遺品整理の費用については以下の記事も参考にしてください。
遺品整理を相続人以外が行うよくあるケース
こちらでは、相続人の代わりに、遺品整理を行うケースについて解説します。
相続手続きが複雑な場合や、相続人の間で意見の対立がある場合は、弁護士などの専門家に相談してください。
相続人が遠方に住んでいる
相続人が被相続人の住居から遠く離れた場所に住んでいる場合、相続人以外の方が遺品整理を行うことがよくあります。
遺品整理のために何度も現地に足を運ぶことが時間的に困難な場合があります。
故人の住居の状況や遺品の量などを正確に把握することが難しいため、遠方からわざわざ足を運ぶのは、現実的ではありません。
また、交通費や宿泊費など、遠方からの移動には費用的な負担や、物の分別、搬出、清掃など、体力的な負担が大きいです。
健康問題で相続人が進められない
相続人が高齢であったり、病気や怪我で動きにくかったりする場合、遺品整理を進めることが困難です。
遺品の量が多い、特殊な清掃が必要、貴重品の取り扱いが難しいなど、遺品整理は、健康上の問題を抱える相続人では対応しきれません。
故人の住居が不衛生な状態である場合、健康上の問題を抱える相続人が自ら整理を行うことは危険です。
また、精神的な健康状態が優れない場合も、遺品整理を行うことが大きな負担となることがあります。
こういった状況では、相続人以外の方が遺品整理を行うことがよくあります。
相続人全員が相続放棄している
相続放棄とは、相続人が被相続人の遺産を一切相続する権利を放棄する法的な手続きです。
相続放棄が完了すると、相続放棄をした相続人は最初から相続人ではなかったものとみなされます。
相続人が一人もいない場合や、相続人全員が相続放棄をした場合、家庭裁判所が相続財産管理人を選任します。
もし、相続人全員が相続放棄したとしても、遺品整理は必要です。
その際に、相続財産管理人が遺品整理を行うことになります。原則として故人の財産は、最終的には国庫に帰属することになります。
相続放棄をすれば、遺品整理をしないようにしましょう。詳しくは以下の記事も参考にしてください。
遺品整理を相続人以外の人が行う際の注意点
こちらでは、遺品整理を相続人以外の人が行う際の注意点を5つ紹介します。
残すものと処分するものを確認しておく
相続人以外の方が遺品整理を行う際は「残すもの」と「処分するもの」を明確に区別し、必ず相続人全員に確認を取るのが、かなり重要です。
遺品の所有権は相続人にあります。誤って処分してしまうと、相続手続きに大きな影響が出たり、取り返しのつかない事態を招いたりする可能性があります。
◼︎特に注意すべきもの
- 遺言書
- 現金、通帳、印鑑、カード類
- 権利書、契約書、保険証書
- 写真、手紙、日記など
- 故人が大切にしていた趣味の品やコレクション
遺言書は特に注意が必要です。遺言書を発見した場合は、開封せずに家庭裁判所に提出する必要があります。
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遺品を適切な保管方法を理解しておく
遺品整理が数日にわたる場合、整理途中の遺品を一時的にまとめて保管しておく必要があります。
保管場所として、湿気が少なく、日の当たらない場所に保管しましょう。
現金、有価証券、権利書、遺言書などの貴重品や、故人が大切にしていた品など、相続人が保管を希望するものがよくある保管が必要なものです。
トラブル発生時の対応を事前に考えておく
事前に起こりうるトラブルとその対応策を考えておけば、実際に問題が起きた際に冷静かつ適切に対処できるようになります。
相続人の連絡手段を確認し、何か問題が起こってもすぐに連絡を取れるようにしておくのがおすすめです。複数人いる場合には、代表者を決めておくとスムーズです。
遺品の処分に判断に迷う場合に備えて、基準を相続人と話し合って決めておきましょう。
不明なものは一旦保管、高価な可能性のあるものは鑑定に出すなど合意をとっておくと良いです。
また、遺品整理の過程や、同意内容、貴重品の発見状況などを詳細に記録しておけば、言った言わないのトラブルを避けられます。
専門家のサポートを受ける
相続人以外の方が遺品整理を行う場合、専門家のサポートを受けるのは、遺品整理を進める上で非常に有効です。
遺品整理業者なら、遺品の分別、梱包、搬出、処分、ハウスクリーニングなど、作業全般を依頼できます。
また、遺品の供養や特殊清掃などに対応でき、困った時には相談に乗ってくれる業者も。
相続人の間で意見の対立や問題がある場合は、弁護士や役所などに相談するのもおすすめです。遺品整理に関する法的アドバイスや、トラブル解決のサポートを受けられます。
遺族の心情に配慮する
遺族はセンシティブになっていることが多いため、軽率な行動は、遺族の悲しませたり、不信感を抱かせたりする可能性があります。
故人に対してはもちろんのこと、遺族に対しても常に敬意を払い、丁寧な言葉遣いを心がけます。安易な励ましや個人的な意見の押し付けは避けるべきです。
手続きや連絡を急かしたり、一方的に進めたりするのではなく、慎重に進めるようにしてください。
遺品の価値や重要性は、人によって異なります。自己判断で処分したり、価値がないと決めつけたりするのではなく、必ず遺族の意向を確認しましょう。
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