この記事では、デジタル遺品の整理方法について解説します。
デジタル遺品とは、亡くなった方が残した、デジタル空間に存在するあらゆる情報のことです。
パソコンやスマホに保存されたデータや、SNSアカウント、クラウドストレージ内の情報などがデジタル遺品にあたります。
この記事を読めば、デジタル遺品の全てがわかるため、ぜひ参考にしてください。
デジタル遺品の具体例
デジタル遺品には以下のものがあります。
◾︎デジタル遺品の例
- パソコンやスマートフォン内のデータ:写真や動画やメール
- SNSアカウント:FacebookやXやInstagram
- クラウドデータ:Google DriveやDropbox
- その他:オンラインバンキングやサブスクリプションサービス
故人の人生の軌跡がデジタルデータとして残されています。デジタル遺品は、パスワードを適切に管理し、遺族がアクセスできるようにしておくことが重要です。
また、データが失われないように、定期的にバックアップを取っておきましょう。
プライバシー保護のため、不要なデータを削除しましょう。ご自身でデジタル遺品整理を行うのが難しい場合は、専門のサービスを利用することも検討してください。
デジタル遺品のパスワード解除方法5選!
デジタル遺品を整理する際に、一番のハードルになるロックの解除やログイン情報の確認です。
特に、端末ロックの解除ができないことによって、親族に負担をかけるケースが多くを占めています。
こちらでは、端末のロックを解除する方法について、以下の5つを解説します。
パスワードを記したメモを探す
デジタル遺品のパスワードが分からない場合、まず最初に試したいのが、パスワードを記したメモを探すことです。
ほとんどの人は、複数のアカウントのパスワードを全て暗記しているわけではありません。
大切なパスワードは、メモ帳やテキストファイル、あるいはパスワード管理アプリなどに記録していることが多いです。
ただし、スマホロック解除のメモはなかなか見つからないでしょう。そのため、ロックを解除できない場合には、以降で解説する推測してパスワードを入れるか、業者に依頼することになります。
パスワードが記されている可能性のある場所は以下の通りです。
◾︎パスワードが記されている可能性のある場所
- 財布や手帳
- パソコンのデスクトップやドキュメントフォルダ
- スマートフォンのメモアプリやブラウザのパスワード保存機能
- Google KeepやEvernoteなどのクラウドサービス
パスワードを推測して入力する
スマホやパソコンなどの端末のロック解除パスワードが不明な場合、パスワードを推測して入力するという方法もあります。
しかし、この方法は成功率が低く、かなりの時間と労力が必要になるという点は押さえておきましょう。
パスワードを推測する際には、パスワードを間違えて入力しすぎて、アカウントがロックされてしまう点は注意が必要です。
Webサービスのパスワードがわからないなら、パスワードリセットを行ってください。新しいパスワードを設定できるため、パスワードを推測する必要なく、ログインできるようになります。
◾︎パスワードを推測する際のポイント
- 生年月日、記念日、ペットの名前、趣味に関わるものなど、本人にとって特別なワード
- 「名前+数字」「誕生日+アルファベット」など
- パスワード管理アプリを利用していた場合は、ヒント機能を使う
パスワード解析ソフトを利用する
パスワード解析ソフトとは、様々なパターンでパスワードを試して、正しいパスワードを割り出すソフトウェアです。
iPhoneはAnyUnlockなど、AndroidはDroidKitなどで画面ロックを解除できます。ロックの解除なら5,000円程度でツールを購入できます。
ただし、解読に時間がかかることもあり、必ずしもパスワードが解読できるとは限らないという点は押さえておきましょう。
また、パソコンの操作に慣れていない方にはおすすめしません。
パスワード解除業者に依頼する
専門業者は、高度な技術と経験から、専用のツールを用いて、様々な種類のパスワードを解読してくれます。
スマホやパソコンの端末などのさまざまなパスワードの解除に対応してくれるため、パスワード解除には手取り早いです。
ただし、業者に依頼するとなると数万円から数十万円かかる上に、半年もの期間がかかるというデメリットもあります。
費用は業者によって異なるため、事前に見積もりを依頼することをおすすめします。サービス内容や実績を参考に、信頼できる業者を選びましょう。
遺品整理業者に相談する
遺品整理業者は、故人の残された品物の整理を専門に行う業者です。
スマホやパソコンが普及した現代では、パスワードの解除やデータの移行といったデジタル遺品の相談も多くなっています。そのため、一度相談すると、適切なアドバイスをもらえるでしょう。
また、デジタル遺品の取り扱いだけでなく、その他の遺品整理も一括で依頼できるため、遺品の処理がスムーズです。
専門業者に依頼すれば、安心して作業を任せられますし、故人のプライバシーをしっかりと守りつつ作業を行ってくれます。
遺品整理業者を選ぶ際には、遺品整理士資格を持つ業者に依頼することをおすすめします。
おすすめの遺品整理業者についてはこちら!
デジタル遺品を生前整理する方法!
デジタル遺品を生前に整理するなら、以下のポイントを押さえてください。
- IDとパスワードのリストを作成する
- 希望のデータを指定するメモを残す
- 見られたくないデータを整理する
デジタル遺品の生前整理は、ご自身やご家族の将来の負担を軽減するために非常に重要です。
デジタル遺品を生前に整理する際には、SNS、クラウドストレージ、サブスクサービスなど、利用中のサービスを全てリストアップします。
今後、利用しないと思われるアカウントは、早めに削除しましょう。
整理できれば、エンディングノートと呼ばれる、アカウントのID、パスワードなどを記載したノートを作成することをおすすめします。
また、データの保存場所やアクセス方法、死後、連絡してほしい人も記載しておき、家族に共有しておきましょう。
デジタル遺品に関するトラブル事例
デジタル社会になった現代では、デジタル遺品に関する相談が増えています。
こちらでは、デジタル遺品に関するトラブル事例を紹介します。
取っておきたいデータが消えてしまう
デジタル遺品に関するトラブルとして、最も恐ろしいのは、大切なデータが消えてしまうことです。
特に、iPhoneでは、パスワードを10回間違えると初期化され、すべてのデータが消せるという機能があります。
この機能は、iPhoneの設定から有効にできる機能ですが、パスワードの入力画面からは設定されているかどうかがわかりません。
もし、この機能が、設定されていると意図せずに初期化させてしまうというリスクがあります。そのため、推測で入力するなら、5〜6回程度に留めておきましょう。
親族に見られたくないデータを見られる
遺影の写真の選定やスマホの解約のために、スマホの中を見る必要があります。
故人がデジタルデータを整理しておらず、見られたくない情報が他のデータと混在している場合、意図せず見られてしまう可能性があります。
心の内や人間関係などが赤裸々にわかるようであれば、遺族がショックを受けたり、遺族間の人間関係を悪化させたりするリスクも。
デジタル遺品の問題は、高齢者だけではありません。突然、死がやってくることもあるため、結婚や出産などのタイミングを機に準備しておくことをおすすめします。
データが流出が起こってしまう
簡単なパスワードを設定していたり、複数のサービスで同じパスワードを使用していたりする場合、不正アクセスをされやすくなります。
また、クラウドサービスの共有設定が適切に行われていない場合、不特定多数の人が見られる状態になってしまうことがあります。
親族が気づかずに放置されてしまったアカウントからデータが流出するというのもリスクです。
端末をそのまま廃棄したり、売却したりする場合も考慮し、エンディングノートを活用して処分方法まで記載しておくことをおすすめします。
サブスクサービスが止まらなくなる
故人が利用していたサブスクサービスの料金が継続して発生してしまうというケースがあります。
この事例はデジタル遺品に関するトラブルとして、年々増えており、端末のロックが解除できずに解約が難航してしまいます。
サービス提供者は、IDとパスワードがわからない場合、解約手続きができないと回答することがほとんど。端末のロックが解除できさえすれば、IDとパスワードがわかり、解約できます。
しかし、ロック解除できなければ、クレジットカードが解約されて引き落としができなくなるまで請求され続けることになってしまいます。
故人の友人や知人と連絡が取れなくなる
デジタル化が進んだ現代において、故人の友人・知人との連絡手段は、デジタル端末に保存されていることがほとんどです。
端末のパスワードがわからなかったり、データが整理されていなかったりすると、大切な友人や知人に連絡できません。
通夜や葬儀の連絡を早くしなければならない中で、連絡先がわからないとなると、最期の顔合わせができなくなってしまいます。
デジタル遺品整理も不用品なんでも回収団へ!
デジタル遺品は、現代においては最も重要といっても過言ではないくらいに重要な遺品です。デジタル遺品の整理を行う際のハードルは端末のロック解除です。
エンディングノートを作成するのが理想ですが、端末のロック解除のパスワードだけでも共有しておきましょう。
丈夫な紙に端末の解除パスワードを記載して、その上に数回修正テープを貼りつけたものを保管しておくだけでも親族の負担は軽減されます。
デジタル遺品のことなら、ぜひ「不用品なんでも回収団」にご相談ください。