この記事では、遺品整理と特殊清掃の作業内容や費用相場の違いについて解説します。
また、特殊清掃が必要なケースや特殊清掃と遺品整理を行う流れについても解説。そのため、特殊清掃が必要かどうか、遺品整理との関係性などの疑問が全てわかるようになります。
ぜひ最後までお読みいただき、参考にしてください。
遺品整理と特殊清掃の作業内容の違い
こちらでは、遺品整理と特殊清掃でそれぞれどういった作業をするのかを解説します。
遺品整理
遺品整理とは、亡くなられた方が残された品々を整理し、処分したり、保管したりする作業のことです。
故人の思い出や歴史のある品々のため、処分するか残すか、判断が難しいケースが多いです。遺品の量はかなり多いため、遺品整理は遺族の方にとっては大きな負担になります。
また、故人が賃貸住宅に住んでいた場合、契約期間内に明け渡すためや、財産を明確にするためにも遺品整理は必要な作業です。
◾︎遺品整理の主な作業
- 遺品を、処分するもの、保管するもの、残すものに仕分ける
- 不要な遺品を、リサイクル、売却、廃棄など、適切な方法で処分する
- 部屋をきれいに清掃する
特殊清掃
特殊清掃とは、一般家庭の清掃では対応できないような、強い悪臭や汚れ、菌などが存在する場所の清掃のことです。
具体的には以下のような、場所の清掃を指します。
- 長期発見されなかった孤独死の部屋
- ペットの多頭飼い
- ゴミ屋敷
- 事件・事故現場
- 災害の被害現場
孤独死や事件・事故の現場は、長期間放置された遺体による腐敗臭、体液の汚れなどが深刻です。
ゴミ屋敷やペットを多頭飼いし、手に追えなくなった部屋では、ゴミや糞尿による悪臭、害虫の発生などが起こっています。
また、水害などによる建物や家財の損壊、汚染に対しても特殊清掃が行われます。
◾︎特殊清掃の作業内容
- 血液、体液などを専用の薬剤や器具を使って除去
- 細菌やウイルスを徹底的に消毒・除菌
- 強力な消臭剤を使用し、悪臭を完全に除去
- 壁、床、天井など、部屋全体を清掃
- 汚染された物品などを適切に処分
遺品整理の際に特殊清掃が必要なケース
こちらでは、遺品整理を行う際に、特殊清掃が必要なケースを解説します。
故人が孤独死だったとき
遺体が発見されるまでに時間が経過している孤独死の現場では、遺体から出た体液や腐敗物によって部屋が汚染されているケースが一般的です。
遺体の腐敗による強烈な悪臭や体液が、壁や床、天井など、部屋のあらゆる場所に付着し、染み込んでいます。
また、腐敗した遺体から発生する菌やガスが部屋中に広がっているため、防護服を着て作業が必要です。
こういった状況では、通常の清掃や個人では対応が難しく、業者に依頼して特殊清掃を行うことになります。
故人の部屋がゴミ屋敷だったとき
ゴミ屋敷での遺品整理では、多くの場合、特殊清掃が必要です。
ゴミ屋敷には、腐敗した食品や動物の死骸など、悪臭を発生させる原因が数多く存在します。また、長期間放置されたゴミは、害虫の温床となります。
食品が腐った臭いや、害虫の臭いは、部屋の片付けだけでは取れません。専用の脱臭機を使う必要があります。
また、こういった状況で長期間、遺品整理のために作業するのは、健康被害や病気のリスクがあるため、専門的な清掃が不可欠です。
故人がペットを多頭飼育していたとき
ペットを適切に世話できなくなり、室内が糞尿や毛などで汚染され、動物や人間にとって不衛生な状態になってしまうことを「多頭飼育崩壊」と言います。
多頭飼育崩壊が起こっている場所では、動物の毛が大量に舞い、ノミ、ダニなどの寄生虫や、病原菌が繁殖しているケースがほとんど。
こういったケースでは、糞尿や腐敗物による強烈な悪臭が漏れ出てしまい、近隣への迷惑にもつながります。
近隣への配慮をしつつ清掃を行う必要があるため、ペットを多頭飼育していた時でも、不衛生になっているケースでは特殊清掃が必要です。
遺品整理と特殊清掃の料金相場
こちらでは、遺品整理と特殊清掃の料金相場について、以下の3つのパターンを解説します。
- 遺品整理のみ行う場合
- 特殊清掃のみ行う場合
- 遺品整理と特殊清掃を行う場合
遺品整理のみ行う場合
間取り | 料金相場 |
---|---|
1R・1K | 3万円〜8万円 |
1DK | 5万円〜12万円 |
1LDK | 7万円〜20万円 |
2DK | 9万円〜25万円 |
2LDK | 12万円〜30万円 |
3DK | 15万円〜40万円 |
3LDK | 17万円〜50万円 |
4LDK以上 | 22万円〜60万円 |
遺品整理の料金は、物件の広さ、遺品の量、作業内容などによって大きく変動します。一般的に、特殊清掃を伴わない遺品整理のみの場合、以下の要素が料金に影響します。
◾︎料金に影響する要素
- 物件の広さ
- 遺品の量
- 遺品の状態
- 作業内容
- 出張費
- 作業員の人数
特殊清掃のみ行う場合
間取り | 料金相場 |
---|---|
1R・1K | 5万円〜10万円 |
1DK〜3LDK | 7万円~30万円 |
4LDK以上 | 22万円~60万円 |
特殊清掃の料金相場は、汚染の程度、作業範囲、使用する薬剤の種類などによって大きく変動し、一概にいくらとは言えません。一般的に、遺品整理よりも高額になるケースが多いです。
◾︎料金に影響する要素
- 汚染の程度
- 作業範囲
- 使用する薬剤
- 作業時間
- 作業員の人数
遺品整理と特殊清掃を行う場合
間取り | 料金相場 |
---|---|
1R・1K | 80,000円〜180,000円 |
1DK | 120,000円〜720,000円 |
1LDK | 140,000円〜500,000円 |
2DK | 160,000円〜550,000円 |
2LDK | 190,000円〜600,000円 |
3DK | 220,000円〜700,000円 |
3LDK | 240,000円〜800,000円 |
4LDK以上 | 440,000円〜1,200,000円 |
遺品整理と特殊清掃を同時に行う場合、それぞれの作業に料金がかかるため、単独で行う場合よりも費用は高くなります。
遺品整理と特殊清掃を同時に行う場合には、セット割引が適用されることも。複数の業者から見積もりを取り、キャンペーンや割引も確認しておきましょう。
遺品整理と特殊清掃の費用負担は相続人
遺品整理や特殊清掃の費用負担は、原則として相続人が行います。
故人が残した不動産などの財産がある場合には、相続人によって引き継がれるため、財産から支払っても問題ありません。
費用負担を免れるためには、相続放棄が必要です。相続放棄すると、費用負担の義務がなくなります。
ただし、相続放棄には期限があり、手続きが複雑です。また、管理義務が発生することもあるため、専門家に相談することをおすすめします。
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特殊清掃が必要な遺品整理の流れ
こちらでは、特殊清掃が必要なケースの遺品整理の流れについて、以下の工程を、それぞれ詳しく解説します。
- 業者に依頼する
- 血液・体液を除去する
- 死臭・悪臭を取り除く
- 害虫対策をする
- 遺品整理を行う
1.業者に依頼する
特殊清掃が必要な遺品整理を行う際には、まずは、業者への連絡・相談しましょう。
孤独死の場合には、遺体の発見状況、部屋の状態、ご希望の作業内容などをできるだけ詳しく説明してください。
現地調査やヒアリングに基づいて、見積もりを作成してくれます。複数業者に見積もりを依頼し、比較検討することをおすすめします。
契約書の内容をしっかりと確認し、不明な点は質問してください。納得できる業者の契約書に署名・捺印を行い、契約をしてください。
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2.血液・体液を除去する
血液や体液はただの水拭きでは除去できないため、専用の薬剤や器具を用いた丁寧な作業を行なってくれます。
壁や床に染み込んだ汚れは、専用の洗剤や酵素剤を使用し、丁寧に洗浄します。
特殊清掃が必要な遺品整理では、血液や体液による汚染が深刻です。作業員は、汚染物質との接触を防ぐため、防護服、マスク、手袋、長靴などを着用して、作業を開始します。
また、状況に応じて、固まった血液や体液は、スクレーパーで落としたり、吸水性の高い布やスポンジで吸い取ったりします。
3.死臭・悪臭を取り除く
悪臭の原因となる物質を、可能な限り除去するためには、オゾンを使用します。
オゾンは強力に悪臭成分を分解する作用があるのが特徴です。部屋全体にオゾンを充満させ、徹底的に消臭を行います。
オゾンだけでは除去できない深い部分の臭いに対しては、特殊な消臭剤を使用し、作業後は、窓を開けて、十分な換気を行います。
4.害虫対策をする
ゴキブリ、ハエ、コバエなどの害虫は、病原菌を媒介し、感染症の原因となる可能性があります。害虫の種類に合わせて殺虫剤や消毒液を使用します。
特殊清掃が必要な現場では、遺体の腐敗や長期間放置されたゴミなどが原因で、さまざまな種類の害虫が発生していることも。
これらの害虫は、衛生面だけでなく、健康面にも悪影響を及ぼすため、適切な駆除対策が不可欠です。
5.遺品整理を行う
特殊清掃が必要な現場では、遺体の腐敗や長期間放置されたゴミによって、遺品も汚染の影響を受けています。
◾︎遺品整理の流れ
- 滑りやすい場所にはマットを敷くなど、安全対策を行う
- 遺品に血液や体液、カビなどがないか確認し、仕分ける
- 汚れの種類や素材に合わせて、適切な洗剤や方法で清掃をする
- 残す遺品を消毒液で消毒し、乾燥させる
こういった整理や仕分けが終わると、処分する遺品は、処分場に運びます。また、リサイクルできるものはリサイクルセンターへ、燃えるゴミは燃えるゴミとして処分します。
遺品整理と特殊清掃なら不用品なんでも回収団へ!
特殊清掃が必要な遺品整理を行う場合は、悪臭やゴミの多さから、個人では難しいケースがほとんどです。費用はかかりますが、業者に依頼することをおすすめします。
費用相場は8万〜120万円とかなりの開きがあるため、複数業者から見積もりを取って比較検討してから業者を選ぶようにしてください。
金額だけで判断するのではなく、サービス内容や作業範囲を確認し、適正な見積もりかどうかを判断しましょう。
遺品整理と特殊清掃は、ぜひ「不用品なんでも回収団」にご相談ください。不用品なんでも回収団には、遺品整理士の有資格者が在籍しています。