この記事では、認知症の方がゴミ屋敷を生み出しやすい原因と、周りが取るべき対処法を紹介します。
ゴミ屋敷に住み続けるのはさまざま面で悪影響のため、認知症の方は周りの協力でゴミ屋敷化を解消しなければなりません。
ゴミ屋敷に暮らすリスクの詳細や片付け方法も紹介するため、認知症の家族や知り合いがいる方は参考にしてください。
認知症の方の家がゴミ屋敷化しやすい原因
高齢になるに連れて、脳の老化で認知症を患う方は増加傾向にあります。
国内は少子高齢化の背景もあって、2025年には65歳の高齢者全体の約20%が認知症になると推計されています。
そんな認知症の方が一人暮らしをしている時に懸念すべきなのが、ゴミ屋敷です。
敷地内にゴミなどの不要物を大量にためこみ、悪臭や害虫の発生により生活に何らかの悪影響を与えているものがゴミ屋敷と呼ばれますが、認知症の方は知らず知らずのうちにこのゴミ屋敷を作るケースが多いのです。
認知症の方の家がゴミ屋敷化しやすい主な原因は以下に挙げられます。
判断能力の低下
私たちが普段物を片付ける時は、元あった場所はどこか、これは捨てるべきか保管するべきかなどを判断した上で作業に取り掛かります。
認知症の方はこの判断能力が低下しているため、本来捨てるべき物であってもゴミだと思わず、使い終わったものを片付けることができません。
結果的に家の中が整理整頓されていない物で溢れかえり、捨てられるべきゴミも残ったままになるのです。
いる物といらない物の判断が付けられないだけでも、あっという間にゴミは溜まり続けます。
認知機能の低下
認知機能は判断能力にも関係する部分ですが、時間感覚や曜日感覚が乏しくなることでゴミ回収の日が分からなくなり、ゴミを捨てられないまま家に溜まってしまうことがあります。
また物事の集中力も続かなくなるため、片付けを始められたとしても最後まで進められず途中で止めてしまい、ゴミが片付け前よりも増えてしまうといった状況になってしまいます。
認知機能の低下は片付け以外の日常生活においても大いに支障があるため、周囲が快適な生活を送れるようにサポートしてあげることが望ましいです。
不要な物の収集癖
判断能力や認知能力の低下に伴い、不要な物を大量に集め続けてしまう収集癖が付いてしまう人もいます。
中には判断が付きづらいためにゴミを捨てずに保管し続けるケースもあり、周囲が片付けようとすると自分の物を盗まれたと感じて怒る「物盗られ妄想」もよく見られます。
自身が集めている物に関しては忘れずに覚えていることも多いため、本人を刺激しないように周囲がその状況を見て見ぬふりしてしまうと、家は徐々にゴミ屋敷化するのです。
認知症の方のゴミ屋敷で周りがとるべき行動
認知症の家族や知り合いがゴミ屋敷を作っていた場合、周囲の人は被害の拡大防止と改善のために支えてあげることが大切です。
支援を進めていきゴミ屋敷を作ってはいけないことを理解してもらう、そしてゴミ屋敷を作らない精神状態になってもらうのが望ましいです。
認知症の方とコミュニケーションを取るのは少々難しい部分があるかもしれませんが、以下のポイントを意識して交流を図りましょう。
ゴミ屋敷化のリスクを伝えて納得してもらう
ゴミ屋敷での生活は、まさに百害あって一利なしです。
住み続けることで心身の健康状態が損なわれることはもちろん、ゴミ屋敷のレベルによっては近隣住民との関係性も徐々に悪化してきます。
家がゴミ屋敷化していることがどれだけ危険なことか、それを伝えて納得してもらうことが大切です。
認知症の症状が軽い場合は、家族が真剣に話すことですぐに納得してもらえるかもしれません。
納得をもらえた時点ですぐに動き出して、ゴミ屋敷化を解消しましょう。
周りに協力者がいることを伝える
認知症の人は自分自身の現状を理解できておらず、これから先の将来についても不安や混乱でいっぱいです。
そのため、感情のコントロールが上手く効かず他人に対して攻撃的な態度を取ることがあります。
このような態度を取られても決して周りは反抗したり否定的な言葉を使わず、味方や協力者であることを言葉や行動で示しましょう。
信頼できる人がいることが分かれば悩み事を相談してくれるようにもなり、家がゴミ屋敷化している現状を自覚していれば、それを改善したいと打ち明けてくれるかもしれません。
こまめに帰省して孤独感を解消させる
強い孤独感を感じている人は、その気持ちを解消するために物を溜め込んでしまいます。
認知症で判断能力が低下している方であれば、溜め込む物の中にはゴミも含まれていることが多く、自分の孤独感を埋めるために処分もしません。
孤独感を感じるのは、子供が成人して出て行き実家で独居老人となっている認知症の方に多いです。
そのため、家族や親戚がこまめに実家へ帰省して孤独感を解消させてあげられれば、こうした症状を緩和させることが可能です。
認知症の方のゴミ屋敷を片付ける方法
認知症の方が住んでいるゴミ屋敷は、どのように片付ければよいのでしょうか。
判断能力や認知機能が低下している認知症の方は一人での作業が困難であるため、周囲の方が協力して以下の方法で掃除を進めていきましょう。
家族や周りでサポートして片付ける
もっとも手軽な方法は、家族や周りがサポートしながら一緒に片付けることです。
明らかにゴミと分かるものは片っ端から処分して、ゴミかどうか悩ましいものもなるべく処分する方向でまとめておきましょう。
しかし、明らかにゴミと分かるものであっても、本人は孤独感を埋めるために宝物として扱っているものもあります。
この問題を解決するために、家族や周りが本人の気持ちに寄り添って孤独感を解消してあげなければなりません。
丁寧なコミュニケーションを意識して、ゴミ屋敷を片付けられる体制を整えましょう。
家事代行サービスに依頼する
家事代行サービスは、日常で行う基本的な家事を代行してくれます。
洗っていない食器を綺麗にしたり、汚れている床に掃除機をかけたり洗濯物を畳んだりと、忙しくて家事ができない場合や体力が衰えた人がよく利用するサービスです。
このサービスを利用してゴミ屋敷を掃除してもらうのも一つの方法です。
しかし、サービスによってはゴミ屋敷レベルの部屋は対応できないケースもあるため、家事代行サービスを探す場合はゴミ屋敷清掃に対応した業者を選びましょう。
片付け業者に依頼する
部屋の掃除はもちろん、大型家具などの不用品もまとめて処分したい場合には片付け業者に依頼するのもおすすめです。
不用品回収からハウスクリーニングまで、幅広くサービスを提供している業者もいます。
費用はかかるものの、一度依頼してしまえば完了まですべての作業を実施してくれるため、自分達が労力を割く必要がありません。
家族や周囲が手伝いに行けるタイミングがない、自力で処分できないゴミがあって困っているといった場合には、ぜひ片付け業者を活用しましょう。
片付け業者の数は多いため、選ぶ際は料金面や口コミ評価の高さを調べて優良業者を見つけることが重要です。
以下の記事では料金の安さや口コミ評価の高さでおすすめ業者をまとめているため、後悔しない業者選びの参考にご覧ください。
ゴミ屋敷に認知症の高齢者が住むリスク
ゴミ屋敷に認知症の高齢者が住み続けることはリスクでしかありません。
ゴミ屋敷の掃除を説得する時は、以下のリスクを伝えて住み続けるべきでないことを理解してもらいましょう。
不衛生環境による健康被害
ゴミ屋敷では湿気によるカビや、ゴキブリなどの害虫が大量に発生します。
そのため、空気中に蔓延したカビの粒子や害虫の死骸・フンから出たアレルギー成分が体内に入ることによる健康被害は避けられません。
喘息や食中毒、最悪の場合は感染症で死亡するケースもあるため、一刻も早くゴミ屋敷の解消が求められます。
ゴミ屋敷に発生する害虫の種類や駆除方法などを確認したい方はこちら!
悪臭による周辺住民とのトラブル
ゴミ屋敷の悪臭はひどい場合その家だけでなく、風に乗って広範囲に広がります。
そのため、周辺住民の家にまで被害が広がってしまいトラブルは避けられません。
トラブルで関係性が悪化すると、その家にはさらに住みづらくなってしまいます。
不安定な足場による転倒
床が見えないほどにゴミが散乱していると、足場は不安定になります。
高齢者は筋力が衰え足腰が弱っている方も多いため、転倒して頭を打つなどのリスクも高いです。
打ちどころが悪ければ大怪我にもつながるため、毎日そのリスクに怯えて生活しなければなりません。
可燃物が多いと火災の危険も
コンセントに入り込んだほこりに引火するトラッキング火災は、換気状態が悪くほこりが大量に舞っている空間で起こりやすいです。
ゴミ屋敷の場合はこれに加えて可燃ゴミが散乱しているため、引火して大火事になりかねません。
燃えるものが多いゴミ屋敷では火があっという間に燃え広がり、家屋が全焼する恐れもあります。
もし火災が起きた場合でも、ゴミ屋敷だとスムーズに避難もできません。
それだけ危険な環境に身を置いていることを理解してもらいましょう。
認知症の方のゴミ屋敷清掃は「不用品なんでも回収団」まで!
認知症の方のゴミ屋敷清掃は「不用品なんでも回収団」が作業にあたります。
ハウスクリーニングの実績豊富なスタッフが、どんな状況のゴミ屋敷で清掃に伺います。
悪臭や害虫がひどくて依頼しづらいという方も、本人のプライバシーを第一に作業にあたるためご安心ください。
大型家具や不燃ゴミの回収もまとめて可能なため、部屋の清掃とまとめて物を処分したい時にもおすすめです。
低価格設定で依頼しやすいプランも用意しているため、元通りの綺麗な家を取り戻したい方はお気軽にご連絡をお待ちしています。